精選版 日本国語大辞典 「猿捕り茨」の意味・読み・例文・類語
さるとり‐いばら【菝葜・猿捕茨】
- 〘 名詞 〙
- ① ユリ科の落葉低木。各地の山野に生える。高さ〇・六~二メートル。茎はつる性で節ごとに曲がり、まばらにとげがある。葉は楕円形または卵形で長さ六~九センチメートル。葉柄の茎部には托葉の変化した二本の巻ひげがあり他物にからむ。雌雄異株。初夏、葉腋(ようえき)から花柄を出し、六花被をもつ黄緑色の小花を多数散形につける。果実は小球状で紅色に熟し食べられる。根は漢方で痛風、リウマチ、関節炎、梅毒の薬に用いる。和名はサルが棘(とげ)にひっかかる意からつけられた。漢名、菝葜。さるとり。さるかき。さるかきいばら。さんきらい。
- [初出の実例]「平生はたつといへども、しうげんにいむもののこと。しをん、いちご、さるとりいばら」(出典:仙伝抄(1445))
- ② 植物「じゃけついばら(蛇結茨)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕