猿楽町(読み)さるがくちよう

日本歴史地名大系 「猿楽町」の解説

猿楽町
さるがくちよう

[現在地名]中区紙屋かみや町一―二丁目・大手おおて町一丁目

城郭南の外濠に平行する横町で、この筋より南に向けて白神しらかみ一―六丁目の筋、その東側の紙屋町の筋、西側の細工さいく町の筋などの縦町が延びる。「知新集」は「もと能役者猿楽の類多く居住しけるにより、かく名つくるか、由来不詳」と記し、白神組に属した。

元和五年広島城下絵図に「さるがく町」として町間数三町一〇間を記す。承応切絵図には年寄九郎兵衛の名がみえ、家数五六、間数三二二間一寸。家数のうち木や(屋)一一軒、医師五軒、紺屋四軒、白銀屋三軒などで、町内西北部の元安もとやす川土手に藩の材木蔵、町内に木売所もあって木材商人が多く、元安川を利用しての材木集散地の一であった。


猿楽町
さるがくちよう

[現在地名]千代田区神田神保町かんだじんぼうちよう一丁目・西神田にしかんだ一―二丁目

明治五年(一八七二)起立。中猿楽町の東に位置する町。往時この辺りに猿楽師観世太夫の屋敷があり、座の者も何人か居住していたことから猿楽町と通称された(御府内備考)。江戸時代はおおむね武家地

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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