玉津田中遺跡(読み)たまつたなかいせき

日本歴史地名大系 「玉津田中遺跡」の解説

玉津田中遺跡
たまつたなかいせき

[現在地名]西区宮下一―三丁目

明石川中流の左岸に広がる標高一六―一八メートルの沖積地および標高二〇―二二メートルの洪積段丘の末端に立地する。弥生時代前期前半に集落が営まれ、弥生時代全期間および古墳時代中期まで継続する。つじうち地区では中世の居館とみられる遺構が発見されている。昭和五七年(一九八二)から平成三年(一九九一)まで発掘調査が継続的に行われた。調査はトレンチ調査が主体で大規模な面的調査を行っていないが、遺跡地の面積は約三一ヘクタールに及ぶと想定される。

弥生時代前・中期の遺構は沖積地に営まれている。前期前半の遺構はかめごう微高地地区で円形竪穴住居跡・土壙・溝状遺構が調査されている。この時期の水田は同地区の南に広がる後背地と想定される。西にしいち地区の埋没段丘面からは前期の土壙墓が検出され、亀ノ郷微高地の集落に伴う墓域と想定されている。弥生時代中期には住居域および墓域は微高地に、水田は微高地斜面から後背湿地に立地する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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