世界大百科事典 第2版 「玉田永教」の意味・わかりやすい解説
たまだえいきょう【玉田永教】
江戸後期の神道講釈師。徳島藩士として生まれ,上京して神典を学び吉田家の神道教授となり,全国を遊歴して神道の普及につとめた。《年中故事》《菅家世系録》など,神国日本を賞賛した通俗神道書を著し,賀茂真淵を〈姦悪国賊〉ときめつけた。その影響は吉田松陰にも及ぶといわれる。この玉田派の神道講釈師から,玉田玉枝斎(ぎよくしさい)・玉秀斎(ぎよくしゆうさい)・玉芳斎(ぎよくほうさい)の3兄弟が出て明治の大阪講釈界で活躍,さらに2代目玉秀斎によって書き講談〈立川文庫〉が誕生している。
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