玉里邸跡(読み)たまざとていあと

日本歴史地名大系 「玉里邸跡」の解説

玉里邸跡
たまざとていあと

[現在地名]鹿児島市玉里町

うえはら台地の南麓に営まれた島津氏の別邸。天保四年(一八三三)島津斉興五本松ごほんまつお茶屋を移転して造営し、同六年に完成した。天保城下絵図には「玉里お茶屋」とみえる。斉興が安政二年(一八五五)の隠居後居住。没後養女の勝姫が居住したが、明治一〇年(一八七七)西南戦争の際焼失した。斉興の子久光は住んでいた鹿児島城二の丸邸が焼失したため当地に新居を造営し、同一二年に移住した。同二〇年久光が逝去すると国葬が営まれ、邸門から国道(現国道三号)に至る道路(国葬道路)が造られた。同二三年久光の子忠済が東京に移住した後は別邸とされたが、昭和二〇年(一九四五)の鹿児島大空襲により焼失し、茶室と武家長屋のみ焼残った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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