朝日日本歴史人物事典 「理慶」の解説
理慶
生年:享禄3(1530)
戦国時代の女性。甲斐武田氏の一族勝沼信友の娘。俗名は松葉。武田信玄とはいとこの関係に当たる。雨宮氏に嫁したが,父信友が永禄3(1560)年に武田信虎に叛いて滅ぼされたため,離縁された。その後,柏尾山大善寺(山梨県勝沼町)の慶紹阿闍梨について出家,寺内の桂樹庵に居住し修道生活を送った。著作として,かつて乳母を務めたことのある武田勝頼が天正10(1582)年,天目山で自刃するまでのさまを,実際の見聞に基づいてまとめた『理慶尼の記』(『武田勝頼滅亡記』とも)を残している。<参考文献>『大善寺過去帳』,『甲斐志料集成』12巻解説
(牛山佳幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報