理無し(読み)コトワリナシ

デジタル大辞泉 「理無し」の意味・読み・例文・類語

ことわり・し

理由がない。筋道が立たない。
典薬いらへ、―・きおほせなりや」〈落窪・二〉
道理に合わない。道義をわきまえない。
「―・きが恐しさに、やもめは逃げ出でて」〈読・春雨・樊噲下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「理無し」の意味・読み・例文・類語

ことわり【理】 無(な)

  1. [ 一 ] 判断決断がない。
    1. [初出の実例]「又仁和寺の若宮をやなど定めさせ給ひけれど、ことわりなくて、一日は過ぎて」(出典:今鏡(1170)三)
  2. [ 二 ]
    1. 道理にあわない。道理をわきまえない。
      1. [初出の実例]「天地の神の理(ことわり)(なく)はこそあが思ふ君に逢はず死(しに)せめ」(出典万葉集(8C後)四・六〇五)
    2. 理由がない。筋が立たない。
      1. [初出の実例]「おきたるそこの文どもを見ればといへば、典薬がいらへ、ことわりなきおほせなりや」(出典:落窪物語(10C後)二)
  3. [ 三 ]ことわり(断)無し

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