琵琶島城跡(読み)びわじまじようあと

日本歴史地名大系 「琵琶島城跡」の解説

琵琶島城跡
びわじまじようあと

[現在地名]柏崎市元城町

川の右岸蛇行部の自然堤防上にある平城。鵜川と支流横山よこやま(別名本陣川)を堀とする。本丸勝島かつしま、二ノ丸は福島ふくしま、三ノ丸は琵琶島に設けられ、各々単独の郭になる。本丸が最高所にあり標高約四メートルで、「白川風土記」によると東西四〇間、南北六〇間。大手は柏崎市街地に面する北側、南が搦手にあたる。「北越軍記」によると、応安元年(一三六八)に宇佐美左衛門尉満秀の弟神徳左馬進祐益が上杉龍命丸(房方)の付家老として琵琶島城に入り、その子孫宇佐美越中守孝忠(房忠)駿河守定行が在城したという。宇佐美孝忠は「鎌倉大草子」によると、文明三年(一四七一)三月堀越公方足利政知を助けて山内顕定とともに、古河公方足利成氏を伊豆国三島みしま(現静岡県三島市)で破っている。しかし、宇佐美定行は実在の可能性は薄く、孝忠の晩年の名である房忠と、その子駿河守定満の活躍を混合した虚像であろう。

永正四年(一五〇七)八月七日、守護代長尾為景は上杉房能を松之山まつのやま(現東頸城郡松之山町)天水越あまみずこしで弑殺し、上条上杉氏出身の定実を擁立

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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