環境カウンセラー(読み)かんきょうかうんせらー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「環境カウンセラー」の意味・わかりやすい解説

環境カウンセラー
かんきょうかうんせらー

環境省が1996年(平成8)に創設した環境カウンセラー登録制度に登録された専門家。環境保全に関する経験や専門的な知識をもち、市民非営利民間組織、事業者などからの相談を受け、学校や地域の環境学習で講師を務めたり、環境保全活動に対する助言などを行う。事業者部門と市民部門があり、前者は企業や事業者などが取り組む環境マネジメントシステムの監査や社内の監査員の教育などといった相談を受けることが多く、後者は地域社会や学校などを通じた環境保全活動の講師や助言を行うことが中心である。相談を受けた活動内容に応じ、民間と行政の環境パートナーシップを促進する役割を担っている。国家資格ではなく、環境分野で4年以上(市民部門。事業者部門は5年以上)の実績のある申請者を対象に、環境省が論文面接審査を毎年行っている。合格者は専用の人材登録制度に登録される。また、登録は3年ごとの更新が必要で、毎年、活動実績を記した報告書を提出することと、初回の更新申請までに研修を受けることが義務づけられている。2010年4月時点で約4600名が登録されている。

 環境省総合環境政策局に設けられた環境カウンセラーのホームページでは、環境保全活動について相談できる環境カウンセラーを地域や相談内容から検索できる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android