日本大百科全書(ニッポニカ) 「甘橿丘」の意味・わかりやすい解説
甘橿丘
あまかしのおか
奈良県中部、高市(たかいち)郡明日香(あすか)村にある小丘陵。標高148メートル。味橿丘(うまかしのおか)ともいい、甘檮岡、甘樫丘とも書く。飛鳥(あすか)川が東側を北流し、対岸に雷丘(いかずちのおか)がある。『日本書紀』允恭(いんぎょう)天皇紀に、ここで「盟神探湯(くかたち)」(古代の裁判)が行われ、その後蘇我(そが)氏の大邸宅になったと伝えられる。飛鳥古京を一望できる自然の展望台となっていて、周辺は国営飛鳥歴史公園の一部に指定されている。なお、2005年(平成17)甘樫丘東麓遺跡(あまかしのおかとうろくいせき)で掘立柱跡と堀跡が発掘された。
[菊地一郎]