甚平(読み)じんべい

精選版 日本国語大辞典 「甚平」の意味・読み・例文・類語

じんべい【甚平】

〘名〙
① =じんべえ(甚兵衛)①《季・夏》
五百句(1937)〈高浜虚子〉大正五年「恋はものの男甚平女紺しぼり」

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デジタル大辞泉 「甚平」の意味・読み・例文・類語

じんべい【甚平】

じんべえ(甚兵衛)」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「甚平」の意味・わかりやすい解説

甚平
じんべえ

男子の夏の家庭着の一種。甚兵衛とも書く。単(ひとえ)仕立て、筒袖、丈は膝(ひざ)より8センチメートルほど長く、裄(ゆき)丈は60センチメートルぐらい、馬乗りは19センチメートルぐらい、袖(そで)付け、脇(わき)は千鳥かがりとし、衿(えり)端と脇との紐(ひも)を結び、肌に直接着用する。くつろげるし、風通しがよく涼しい。布地は生平(きびら)、麻、縮(ちぢみ)など張りのあるもの、また近年は化学繊維、混紡織物など、平織と縮風のものとがあり、無地、縞(しま)、絣(かすり)、中形(ちゅうがた)など多様である。子供、若い男女用もある。下衣は固定したものはなく、すててこを着用していたが、近年は膝丈ぐらいの半ズボンとパッチの中間的形状のものが、上とそろいの布でつくられている。甚平の語は一説では、甚平という者が製作したのが初めというが、また別に、民間の袖なし羽織を陣兵羽織といったのが甚兵衛羽織に転じたものともされている。

[藤本やす]

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世界大百科事典(旧版)内の甚平の言及

【甚兵衛】より

…男性や子ども用の夏着で,甚平とも書き,〈じんべ〉ともいう。江戸末期,袖無羽織が武家の用いた陣羽織に形が似ていたところから,陣兵羽織,甚兵衛とよばれるようになったといわれる。…

※「甚平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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