生き御霊(読み)イキミタマ

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精選版 日本国語大辞典 「生き御霊」の意味・読み・例文・類語

いき‐みたま【生御霊・生身魂】

  1. 〘 名詞 〙 両親のそろった者が、盆に親をもてなす作法。また、そのときの食物や贈り物。他出した息子や嫁した娘も集まり、親に食物をすすめる。精進料理でなく、贈り物にも刺鯖(さしさば)を使うことが多い。近代、東京でも、老いた親のある者が、盆中に魚を捕り、調理して親にすすめる風習があった。これは生きたみたまも盆に拝む風習があったためといわれる。生盆(いきぼん)。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「五辻来、面々張行、聊表祝著之儀、毎年之儀也。世俗号生見玉」(出典:建内記‐嘉吉元年(1441)七月一〇日)
    2. 「生霊(イキミタマ)酒のさがらぬ祖父かな〈其角〉」(出典:俳諧・花摘(1690)下)

生き御霊の語誌

( 1 )「生きている尊親の霊」の意で、死者の霊ばかりでなく、生きている尊者の霊を拝むという気持から始まった。
( 2 )盂蘭盆経」に「願使現在父母、寿命百年、無病無一切苦悩之患」とあるのに基づくものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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