生成人工知能(読み)セイセイジンコウチノウ(英語表記)generative artificial intelligence

デジタル大辞泉 「生成人工知能」の意味・読み・例文・類語

せいせい‐じんこうちのう【生成人工知能】

生成AI」に同じ。生成的人工知能。生成系人工知能。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生成人工知能」の意味・わかりやすい解説

生成人工知能
せいせいじんこうちのう
generative artificial intelligence

文章や音声,画像などを人間のように生成する人工知能 AI。生成AIともいう。脳の神経ネットワーク(ニューラルネットワーク)を模倣し,高度な性能が立証されている AI技術である深層学習ディープラーニング)をベースにした大規模言語モデルで,大規模コンピュータで稼働し,膨大な資料を学習して文章などの生成能力を獲得する。深層学習の登場は第3次AIブームを引き起こしたとされるが,生成AIで第4次ブームに突入したという見方もある。さきがけとなったアメリカ合衆国のスタートアップ企業,オープンAIの「ChatGPT(チャット・ジーピーティー)」は,幅広い分野の質問に人間のように回答する。また,画像や映像を生成するAIもある。
オープンAIは 2015年に非営利団体として設立されたが,2019年に同名の子会社をつくり,マイクロソフトから出資を受けて開発を加速させた。2022年11月30日にプロトタイプの ChatGPTを公開すると利用者は急拡大し,他のIT(情報技術)大手が続々と生成AIの開発を表明した。当初は,自然な文章をつくる半面,インターネットで簡単に検索できるような事柄もまちがうという実用性の低さが指摘された。しかし,将来は生成AIが人知をこえ,諸課題の解決に貢献すると同時に,人類脅威になりうるとみられている。
脅威面では,武器製造や詐欺メール,フェイク動画の作成などへの利用が危惧されている。悪用を制限する機能が加えられても,質問の仕方によって犯罪につながる情報も引き出せるため,完全な防衛は困難とみられる。オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者 CEOも,2023年5月のアメリカ連邦議会上院の委員会で,AIが脅威になりえると警告したうえで,政府による規制介入の必要性を訴えた。また,性能を上げるには質のよいコンテンツで学習する必要があるが,ニュース記事やプロのイラストなど著作物を無断で利用することについて著作権上の問題も指摘されている。

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