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著作権 ちょさくけん

13件 の用語解説(著作権の意味・用語解説を検索)

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

著作権

知的財産権のひとつ。コピーライトとも呼ばれる。著作物を他人に使用させる許可を与えたり、著作物を財産として所有したりすることのできる権利。ここでいう著作物には、音楽や文章などの他に、ソフトウェアも含まれる。著作権は、特に登録をしなくても、著作物を作成すると発生するが、正式な著作者であると証明したい場合は、文化庁で登録できる。個人の著作物の場合、著作権は死後50年を過ぎると適用されなくなる。

出典|ASCII.jpデジタル用語辞典
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知恵蔵の解説

著作権

知的財産権の一つとして著作権法(1970年5月6日公布)によって保護されている権利。1)財産権としての狭義の著作権2)著作者人格権と狭義の著作権を包括する権利(著作者の権利)、それぞれについて著作権といわれる。
1)狭義の「著作権」は、その全部または一部を譲渡したり相続したりすることができる財産権である。したがって、著作物が創作された時点では著作者と著作権者は同一だが、著作権が譲渡・相続されると、著作者と著作権者は異なることになる。しかし、著作権はどこかに登録されているわけではないため、著作者が著作権を二重に譲渡することも不可能ではない。小室哲哉の詐欺事件はこの典型例である。「著作権」には、複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権等(放送権、インターネットなどの自動公衆送信権など)、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権、二次的著作物の利用権などがある。著作権の保護期間は、原則として著作者の死後50年間。無名・変名や団体名義の著作物は公表後50年間。映画は公表後70年間である。
2)「著作者の権利」には、上記の狭義の「著作権」と「著作者人格権」の2種類がある。著作者とは、著作物を創作した者のことだが、著作権法に定義されている「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」である。著作物を創作した時点で著作者は、申請や登録などの手続きを必要とせずに、自動的に「著作者の権利」を取得する。これを「無方式主義」と言い、ベルヌ条約などの国際条約によって万国共通のルールになっている。
著作者の権利のうちの「著作者人格権」は、著作者の一身に専属し、譲渡することができないもので、公表権、氏名表示権同一性保持権からなる。「公表権」とは、自分の著作物を公表するかしないかを決定できる権利である。「氏名表示権」とは、著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば本名か変名かなどを決定できる権利である。「同一性保持権」とは、著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で改変されない権利である。著作者人格権の保護期間は著作者の生存中だが、著作者の死後(法人の場合はその解散後)にも、著作者が生きていたなら著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならないという定めが設けられている。
また、著作権法は、著作物を公衆に伝達する者(実演家、レコード製作者放送事業者、有線放送事業者)の権利を「著作隣接権」として保障している。著作隣接権としては、実演家についてのみ「実演家人格権」が認められているが、他は「財産権としての著作隣接権」であり、その保護期間は、実演やレコード発行、放送などの後50年間である。「著作者の権利」と「著作隣接権」を合わせて、最広義の「著作権」ということもある。

(高橋誠 ライター / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

著作権

小説や音楽、絵画などの著作物が創作されると発生する権利。創作した人が著作権をもち、死後50年までは保護される。財産権の一つとして、第三者に譲渡したり、遺族が相続したりすることができる。譲渡したことは、望めば文化庁に登録できる。登録の手続きには著作物を提出する必要はなく、通常は書類がそろっていれば認められる。

(2010-10-13 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ちょさく‐けん【著作権】

知的財産権の一。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する著作物をその著作者が独占的に支配して利益を受ける権利。著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・上映・翻訳などの権利を含む。著作権は、著作物が創作された時に発生し、原則として著作者の死後50年を経過するまで存続する。→翻案権翻訳権編曲権変形権
[補説]無名または変名で公表された著作物は公表後50年、映画の著作物(劇場用映画・アニメビデオ・ゲームソフトの映像部分など)は公表後70年を経過するまで、著作権が存続する。

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百科事典マイペディアの解説

著作権【ちょさくけん】

copyrightの訳。文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する創作物(著作物)を,著作者が独占的・排他的に支配し,かつ複製(翻訳,映画化,放送,興行等も含む)する権利。
→関連項目芥川也寸志印税映画監督演奏権海賊版工業所有権出版権世界知的所有権機関電子図書館納本制度ロイヤルティ録音権

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ブランド用語集の解説

著作権

著作権とは著作者がに与えられる、他人の無断コピーを禁止する権利など、著作物に対する排他的な権利のことをいう。商標権と同様、ブランドの保護に重要な役割を果たす。商標権とは異なり、登録しなくても権利を得られる(一部の国を除く)。

出典|(株)日本ブランド戦略研究所
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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

著作権

著作者が、その著作物を自分の財産として独占的に利用できる権利。著作者は、著作物を複製・頒布することで利益を得ることができる。また、他者による無断複製や利用を制約できる。 対象となる著作物とは、思想や感情を創作的に表現したもので、出版物や音楽、映像、美術品、建築、プログラムなど多岐にわたる。著作権は著作物を創作した時点で発生し、死後50年間有効となる。

出典|ナビゲート
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産学連携キーワード辞典の解説

著作権

「著作権(Copyright)」とは、「知的所有権」と呼ばれる権利の1つで、財産的な利益を保護し、著作権者以外の人物が著作物を利用しようとする時に、許諾したり、禁止したりできる権利である。著作権法では著作物を「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属する」(著作権法第2条第1項)と定めている。「著作権」には、複製権、上演権、放送権、口術権、展示権、上映権、貸与権、翻訳権、二次的著作物の利用権などがある。

出典|(株)アヴィス
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世界大百科事典 第2版の解説

ちょさくけん【著作権 copyright】

思想または感情を創作的に表現したもので,文芸,学術,美術,音楽の範囲に属するもの(著作物)を排他的に利用(複製,上演・演奏,公衆送信など)する権利。
[著作権の成立前史]
 著作物の経済的な利用を法の領域で保護するようになるのはそれほど古いことではない。それは,著作物を複製する技術の開発・普及に対応して進展してきた。古代では著作物がつくり出されてもこれを複製する技術が普及していなかった。せいぜいのところ多くの奴隷が同時に書き写すという程度である。

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大辞林 第三版の解説

ちょさくけん【著作権】

著作者が自己の著作物の複製・発刊・翻訳・興行・上映・放送などに関し、独占的に支配し利益をうける排他的な権利。著作権法によって保護される無体財産権の一種。原則として著作者の死後50年間存続する。

出典|三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

著作権
ちょさくけん
copyright

文芸,学術,美術,音楽,劇に関する著作物を独占的に支配して利益を受ける排他的権利。特許権商標権などとともに,人間の精神的な創作活動の所産であるため知的所有権または知的財産権とも呼ばれる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

著作権
ちょさくけん
copyright

著作物を排他的に支配しうる権利のことで、特許権、実用新案権などの工業所有権産業財産権)と並んで、無体財産権知的財産権)の一種である。コピーライトともいう。ここに著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいい、具体的には小説・脚本・講演その他の言語の著作物、音楽の著作物、舞踊または無言劇の著作物、絵画・版画・彫刻その他の美術の著作物、建築の著作物、地図または学術的な性質を有する図面・図表・模型その他の図形の著作物、映画の著作物、写真の著作物、プログラムの著作物などがこれにあたる。
 他人の著作物を利用しようとする者は著作権者の許諾を受けなければならず、無断で利用するときは著作権の侵害となり、罰則の適用を受けるほか、著作権者から差止請求や損害賠償請求を受けることになる。[半田正夫]

沿革

日本の著作権制度は、1899年(明治32)に制定された著作権法(旧法)にその起源を求めることができる。これは水野錬太郎(れんたろう)の起草にかかるもので、直接にはベルヌ条約(1886)加盟の準備工作として制定されたものであるため、内容的にはベルヌ条約と多くの点で符合しており、当時としてはきわめて斬新(ざんしん)なものであった。この旧法は、その後ベルヌ条約の相次ぐ改正に応じて数次にわたる部分的修正を施して、第二次世界大戦後に至るまでその命脈を保ってきた。しかし、戦後の機械技術の急速な進歩は著作物の利用方法に著しい変化をもたらし、他方、日本の著作権制度の基調となっているベルヌ条約もその後何度も改正されている。そのため、これらの情勢に対処するためにはもはや部分的修正では足りず、根本的な再検討が必要となった。こうして生まれたのが現行の著作権法(昭和45年法律第48号)であり、1971年(昭和46)1月1日に施行されている。この法律は、制定後、貸しレコード問題、コンピュータ・プログラムやデータベースの保護などデジタル化時代に対応するため頻繁に部分改正を加え、今日に至っている。[半田正夫]

著作権の成立

著作権がいつ成立するかについては、二つの考え方の対立がある。一つは、著作物が創作された時点でただちに著作権が成立するという考え方であり、これを無方式主義とよんでいる。もう一つは、著作物が成立するだけでは著作権は発生せず、免許、登録、納本、届出などのなんらかの方式または手続をとることによって初めて著作権が成立するという考え方であり、これを方式主義とよんでいる。著作権制度の歴史を振り返れば、最初はどこの国でも方式主義でスタートしたが、やがて無方式主義に転換するようになってきている。著作権保護に関しての国際的規制であるベルヌ条約が無方式主義を採用したこともあり、現在ではアメリカやヨーロッパの各国をはじめ、世界の大多数の国が無方式主義を採用している。日本では旧法以来、一貫して無方式主義がとられている。
 ベルヌ条約と並んで著作権を国際的に保護するための条約として万国著作権条約がある。この条約に基づく著作権所有を表す国際的記号として(丸C)の記号がある。[半田正夫]

著作者の権利

広く著作者の権利というとき、そこには著作者の財産的利益を保護する権利と、著作者の人格的利益を保護する権利とが包含されている。現行法はこのうち前者を著作権、後者を著作者人格権とよび、両者ともこれを承認している。だが両者はその性格を異にし、前者は純粋に財産権として取り扱われるのに対し、後者は人格権の一種として一身専属性が認められ、その譲渡が禁止されている。
 著作権は、出版・放送などの著作物利用の態様に応じて著作者に与えられる権利の総体をいい、この権利から派生的に生ずる権利として、法は、複製権、上演権、演奏権、公衆送信権、口述権、上映権、頒布権(映画著作物のみ)、譲渡権(映画著作物を除く)、貸与権(映画著作物を除く)、展示権(美術および写真の著作物のみ)、翻訳権、編曲権、映画化権、翻案権などの権利を承認している。これらの権利のなかでもっとも基本的で重要な権利は複製権である。複製権とは、印刷、写真、録音、録画などの方法によって著作物を形のあるものにそのまま再製する権利をいい、小説を印刷したり、絵を写真に撮ったり、音楽をテープやCDに録音したりする行為に及ぶ権利のことである。著作物を著作権者に無断で複製すると複製権の侵害、ひいては著作権の侵害となり、刑事罰の適用を受けるほか、著作権者から損害賠償の請求を受けたり、使用の差止請求を受けたりする。したがって適法に著作物を複製しようとする者は権利者から複製の許諾を受けることが必要であり、権利者は許諾と引換えに一定の許諾料あるいは著作物使用料を徴収するのが普通である。これは複製権以外の権利の場合も同様である。このようなことから、著作権は財産権としての性質をもっているといえる。
 一方、著作者人格権としては、公表権(著作物を公表するか否か、公表するとした場合にその方法および条件をどうするかについて決定する権利)、氏名表示権(著作者の氏名の表示をどのようにするかを決定する権利)、同一性保持権(著作物の内容や題号をかってに変えたり、削ったりさせない権利)の3種を承認している。これらの権利は著作者の名誉など人格を保護するために認められた権利であるところから、人格権の一種と考えられる。[半田正夫]

著作権の制限

著作物は、それを作成した著作者個人のものであると同時に、国民共通の文化財産としての一面を有するものであるから、一定の範囲内での自由利用を国民に認めることは、その国の文化の発展にぜひとも必要なことであるし、また著作者は著作物の作成にあたってなんらかの形で先人の文化遺産を摂取しているのが普通であるから、新たに作成された著作物も、一定の時期以後は国民すべてに開放され、後世の人々の利用に供されなければならない義務が当然に課せられているとみるべきである。このような著作物のもつ宿命を一般に著作権の社会性とよんでおり、各国とも著作権の保護に一定の制限を加えている。日本の場合もその例外ではなく、次の二つの面から制限を加えている。
(1)著作物の自由利用 著作物を利用しようとする者は著作権者から使用の許諾を受けるのを原則とするが、一定の場合には著作権者に無断で利用することが法によって認められている。これには、私的使用のための複製、図書館における複製、引用、教科書への掲載、試験問題としての複製、視覚障害者のための複製、営利を目的としない上演、放送のための一時的な録音・録画、美術著作物の所有者による展示、時事問題に関する論説の転載、政治上の演説などの利用、時事の事件の報道のための利用などがあり、その多くの場合に利用者に対して出所明示の義務が課せられている。
(2)著作権の保護期間 日本が加盟している著作権の国際的保護条約としてのベルヌ条約は、当初、保護期間を著作者の死後30年としていたため、日本もこれに従い著作者の死後30年としていた。しかし、同条約は1948年の改正により著作者の死後50年を保護の最低期間としたため、日本もこれにあわせ、現在では著作物の創作時から著作者の生存期間およびその死後50年を保護期間とし、以後、著作権は消滅し、だれでも無料で自由に利用できるものとしている。また、映画著作物の保護期間については、2003年(平成15)に従来の公表後50年から公表後70年に延長された。[半田正夫]

映画の著作権の帰属

映画は、監督、俳優、カメラマンなど多くの人の協力によって製作される総合芸術である。したがって映画の著作権をだれに帰属させるかは著作権法上の難問の一つとなっており、各国ともその取扱いを異にしている。日本では立法の際に映画製作者連盟と監督者協会との間で意見の対立があり、結局、映画の著作者と著作権者とを分離し、前者については「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」がこれにあたるものとして著作者人格権を与え、後者については原則として映画製作者(映画製作会社のこと)がこれにあたるとして著作権を与える特異な構成をとっている。[半田正夫]

貸しレコード・レンタルCD対策

1980年(昭和55)に出現した貸しレコード店は、若年層の支持を得て急成長し、数年後には全国で千数百店にまで達する勢いとなった。(その後1982年にCDが登場、プレーヤーが低価格になり生産枚数がレコードを上回った1980年代後半以降、貸しレコード店はレンタルCD店になっていった。著作権法上は、「レコード」を蓄音機用音盤、録音テープ、LPレコード、CDなど「音を固定したもの」と定義し、それらを貸し出す業種を「貸しレコード業」としている)。貸しレコード業は、著作権法上、その利用者によるレコードのテープ録音については私的使用のための複製(著作権法第30条)として適法であり、また、貸しレコード店も自ら複製しているわけではないので複製権の侵害とならず、どこにも著作権法の侵害行為は存在しないという法の盲点をついた商売であったところに特徴があった。貸しレコード業の発展はレコードの売上げの大幅な減少という結果を招来し、そのため権利者側団体は貸しレコード対策のための立法化を強く希望し、これを受けて1984年の著作権法一部改正により、著作権から派生する権利の一つとして新たに貸与権が認められるに至った。この結果として、以後貸しレコード(レンタルCD)業を行う者は、著作権者の許諾を得なければレコードやCDなどの貸与をすることはできなくなった。ただし、図書館、視聴覚ライブラリーにおける貸与のような非営利かつ無料の貸与は、許諾を得る必要はない。また書籍・雑誌の貸与については、貸本業が長年自由に行われているという経緯から、当分の間、適用除外されている。[半田正夫]

デジタル化時代と著作権

近年におけるコンピュータ技術の改良普及は実に目覚ましいものがある。とくにその中核となるコンピュータ・プログラムは、従来コンピュータの付属物として扱われていたが、現在ではコンピュータから分離独立した高い価値をもった創作物として扱われるようになった。このような状況に対応して、コンピュータ・プログラムを法的に保護することの重要性がしだいに認識されるようになり、諸外国においてはこれを著作権法によって保護する方向が大勢となっている。そこで、このような国際的動向を踏まえて、1985年の著作権法の一部改正により、コンピュータ・プログラムは著作権法で保護されることになった。ここでは、まずプログラムの定義を明らかにするとともに、著作物の例示にプログラムを加え、ついで、プログラムの特質を考慮して、法人著作の要件の緩和、同一性保持権の適用除外の明記、プログラム著作物の創作年月日の登録制度の新設などを規定し、さらに一定のプログラムの使用を著作権侵害とみなす旨を定めている。
 また一方、多様な情報が大量に供給される現代においては、データベースのもつ意義がきわめて大きくなりつつある。そしてこれらデータベースの構築、活用の促進などを図るにあたっては、データベース作成者を法律上保護するとともに、その円滑な利用を可能にすることが不可欠となってきた。このような情勢を踏まえて、1986年に著作権法の一部が改正され、新たにデータベースが著作物として保護されることになり、それに伴う規定の整備が行われている。
 また、インターネットによる情報の伝達が活発になるに伴い、これに対処するため1996年(平成8)に従来の放送権と有線送信権を統合し、さらにこれに加えサーバーコンピュータにアップロードするための送信可能化権を追加し、新たに公衆送信権を創設してネットワーク化の時代要請に応えている。
 1990年代後半ごろから、MP3(音質を劣化させずにデータを10分の1に圧縮する技術)によって圧縮された音楽データがインターネットによって配信されるケース(音楽配信サービス)が増えてきたが、配信のため音楽データを複製する際に複製権が働くことはもちろん、これをサーバにアップロードすることについても送信可能化権が働くことになるので、権利者の事前許諾が必要であることに注意しなければならない。[半田正夫]

私的録音・録画に対する補償金制度の導入

日本の著作権法では、家庭内における著作物の複製は自由とされているため、自己所有の録音・録画機器を使用してCDやビデオなどを録音・録画することは著作権の侵害とはならない。しかし、音質や画質の劣化しない優れた録音・録画機器が登場するにつれ、CDレンタル店の利用や放送番組の録音・録画などの方法によって、利用者は容易に著作物を私的に利用できるようになり、その結果として、CDなどの売上げの大幅な減少により大きな経済上の不利益が権利者側に生ずるようになってきた。このような現象に対処し、権利者側の不利益を救済するため、1992年(平成4)の法改正で、新たにデジタル方式の特定機器による録音・録画を行う者は権利者に対して一定の補償金を支払う義務を負うこととなった。これを私的録音録画補償金制度という。具体的には、権利者側の団体が録音・録画機器および機材(録音テープなど)のメーカーに対して一定の補償金を請求し、メーカーは支払った分を機器や機材の販売価格に上乗せしてこれの購入者に転嫁する方式が採用されている。この方式は多くの国でもすでに採用されており、日本もこの例にならったものである。[半田正夫]

著作権の登録

前述のように、日本は著作権の成立に関して無方式主義を採用しているから、登録は著作権の取得のための要件ではない。しかし、著作権の変動を公示する必要とその他特殊な目的から、法はいくつかの登録制度を設けている。すなわち、
(1)権利の変動を公示するための登録(この登録は第三者に対する対抗要件としての効力をもつ)、
(2)実名登録、
(3)第一発行(または公表)年月日登録、
(4)プログラム著作物の創作年月日登録、
の四つである。[半田正夫]

著作権の仲介業務

著作物の利用方法が多岐にわたるにつれ、著作物利用者も従来の出版者に加えて、レコード製作者、放送事業者、社交場経営者など広範な業種に及ぶようになった。こうなると、著作権者が多くの利用者と個別的に著作物利用契約を結ぶことは実際上不可能となり、また利用者側にしても著作権者をいちいち探し当てて契約を結ぶことは煩瑣(はんさ)であって、とくに急ぎの場合にはまにあわないという不便さが目だって多くなってきた。このような事態を解決する最良の方法は、著作権者と利用者との中間にあって、多数の著作権者から著作権行使の委託を受けてこれを集中的に管理し、利用者側との個別交渉に応ずるという機関の登場である。このようにして各国では相次いで仲介業務機関が成立するに至った。かつて日本でも、「著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律(仲介業務法)」(昭和14年法律第67号)により、小説・脚本・音楽についてのみ仲介業務を行う者は文化庁長官の許可を受けなければならないことになっていた。その結果、音楽については日本音楽著作権協会、文芸については日本文芸著作権保護同盟、シナリオについては日本脚本家連盟と日本シナリオ作家協会がそれぞれ文化庁長官の許可を受けて活動していた。このようにこれまでは、前記4団体が著作権仲介業務をいわば独占していたが、ここに競争原理を導入することのほうがデジタル化、ネットワーク化の現在、市場の活性化にとって望ましいとの声があがるようになり、2000年(平成12)11月、前記の仲介業務法を廃止し、新たに「著作権等管理事業法」(平成12年法律第131号)が成立するに至った(2001年10月より施行)。この法律では、新規参入を促すために管理業務を行う者を従来の許可制から登録制に切り換え、使用料金の認可制を届け出制に変更するなどの改正を行っている。[半田正夫]

技術的保護手段の回避の規制

近年の急速な技術の進展に伴い、大量かつ高品質な複製が可能となっているため、ビデオソフトなどの複製物には無断複製を防止するためコピープロテクションをつけている場合が多いが、これを回避する装置を製作して販売する者が現れ、無断複製を助長するに至っている。そこで1999年(平成11)の著作権法改正でこのような行為を行った者に対して罰則の適用を認めることになった。[半田正夫]

権利管理情報の除去等の規制

ネットワーク技術の進展により、著作物に権利管理情報を付して、これによって利用状況の把握や権利処理を行うことができるようになっているが、このような権利管理情報が故意に除去されたり、改竄(かいざん)されたりしないよう、1999年の法改正では罰則を課するなどの規制を加えることとした。[半田正夫]
『阿部浩二著『著作権とその周辺』(1983・日本評論社) ▽美作太郎著『著作権――出版の現場から』(1984・出版ニュース社) ▽半田正夫・紋谷暢男編『著作権のノウハウ』第5版(1995・有斐閣) ▽著作権情報センター編『新版著作権事典』改訂版(1999・出版ニュース社) ▽吉田大輔著『著作権が明解になる10章』(1999・出版ニュース社) ▽田村善之著『著作権法概説』第2版(2001・有斐閣) ▽作花文雄著『著作権法――基礎と応用』第2版(2005・発明協会) ▽菊池武・松田政行・早稲田祐美子・齋藤浩貴編著『著作権法の基礎』(2005・経済産業調査会) ▽半田正夫・松田政行編『著作権法コンメンタール 1~3巻』(2009・勁草書房) ▽半田正夫著『著作権法概説』第14版(2009・法学書院) ▽尾崎哲夫著『入門 著作権の教室』(平凡社新書) ▽福井健策著『著作権とは何か――文化と創造のゆくえ』(集英社新書)』

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図書館情報学用語辞典の解説

著作権

著作物などに関して著作者などに対し認められる権利.表現を保護する著作権はアイデアを保護する工業所有権などとともに,知的財産権を構成している.著作権に関する国際団体として世界知的所有権機関,国際条約として「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」や「万国著作権条約」などがある.多くの国では著作物の著作権は,著作物の創作に始まり,著作者の死後数十年間存続する.著作者は著作物の公衆への提供,複製などの権利を持っているが,私的使用のための複製や引用などにおいて,著作権は制限を受ける.日本の「著作権法」では,図書館などにおける複製は,こうした著作権の制限条項の一つとして明記されているが,米国では細かい規定を設けず,判例によって確立してきた公正使用という概念の中で扱われている.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
©All Rights Reserved, Copyright Nihon Toshokan Joho Gakkai, 2013 編者:日本図書館情報学会用語辞典編集委員会 編
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世界大百科事典内の著作権の言及

【電子情報の知的所有権】より

…コンピュータープログラム,データベース,マルチメディア作品のように電子化された情報に関し,法律によって保証された著作権,工業所有権等の権利の総称。知的所有権は知的財産権と同義語であり,無体財産権ともいう。…

【電子図書館】より

… インターネットを背景に成長してきた電子図書館の特徴は,所蔵する貴重なコレクションを電子化することによって〈いつでも・だれでも・どこからでも〉閲覧することができるだけではなく,完備された書誌目録によって探索する文献やデータの所在情報を容易に入手することができ,さらには,電子出版の形態で公表されている情報に的確にアクセスできることにある。 しかし,生涯学習教育・遠隔教育や情報格差の解消などの目標を掲げて推進されている電子図書館であるが,複製や改変が容易な電子情報を扱っているために,著作権をいかにして保護するか,あるいは,図書館利用者に対して課金することができるのか,また,有料のネットワーク出版を行っている商業出版社の利益を損なうことはないかなど,運営上の問題をさまざま抱えている。そのため現状では,多くの図書館では著作権の保護期間の過ぎた情報の電子化と利用者へのオープンな提供を行うにとどまっている。…

【版権】より

…著作権の旧称で,1899年日本ではじめて法律に定められるまで,明治初期には版権という用語が用いられた。1875年に改正された出版条例において〈図書ヲ著作シ,又ハ外国ノ図書ヲ翻訳シテ出版スルトキハ三十年間専売ノ権ヲ与フヘシ,此専売ノ権ヲ版権ト云フ〉(2条)と版権が規定された。…

【万国著作権条約】より

…アメリカが中心となり,1952年に成立した著作権保護に関する国際条約。所管はユネスコ。…

【本】より

…印刷業者と印刷工との間に賃金の取り決めが協約された最も古い例は,1785年のロンドンにみられる。
[著作権,出版者]
 著作物について著者ならびにその相続者に与えられる版権,および複製権の原則が確立したのは,フランス国民公会が1793年の7月に定めた法律によってである。フランスでは1838年に,ユゴー,デュマその他の作家たちが,文学者の利益を守るために文芸家協会を作り,その会の発起で,78年,国際文学会議が組織され,やがてそれが86年の会議で〈文学,科学および美術著作物の保護に関するベルヌ条約〉(いわゆるベルヌ条約)に結実し,著作権の国際的保護が規定された。…

【翻訳権】より

…著作物を翻訳する権利。原著作物が存在して初めて発生し,それ自体別の保護を受ける二次著作権の一つ。ここでいう翻訳とは,ある言語の著作物を系統の違う他の言語によって正しく表現し直すことで,現代語訳あるいは点字訳,速記の反訳は含まないとされている。…

※「著作権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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