改訂新版 世界大百科事典 「生活季節」の意味・わかりやすい解説
生活季節 (せいかつきせつ)
人間生活に関係の深い季節現象をいう。衣がえの初終日,冷暖房使用の初終日,蚊帳つりの初終日などがおもなものである。衣がえには夏服,冬服,オーバー,手袋などの着用の開始,終了がある。夏服の着用期間は北海道で6月末~9月半ばであるが,九州では6月初め~10月初めと長い。また,冬服については,北海道で10月半ば~5月初めであるが,九州では11月半ば~4月初めである。オーバーを着る期間は北で130日以上にもおよぶが,南では90日程度にすぎない。大都会からカはほとんど消えてしまったが,蚊帳は日本の夏の季節感を表すもので,そのつり始めと終りは夏の生活季節現象の一つである。つり始めは九州で6月下旬,北海道で7月中旬,つり終りはそれぞれ,9月下旬と9月上旬で,日本の夏の南北の違いをよく表している。
執筆者:前島 郁雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報