生物・化学兵器の禁止(読み)せいぶつ・かがくへいきのきんし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生物・化学兵器の禁止」の意味・わかりやすい解説

生物・化学兵器の禁止
せいぶつ・かがくへいきのきんし

生物兵器化学兵器(→ABC兵器)の禁止に関しては,1925年にジュネーブ・ガス議定書が調印されている。この議定書への加入国を増やし,生物化学兵器の使用禁止だけでなく,その開発,製造,貯蔵なども禁止しようとする交渉は,第2次世界大戦後も国連総会ジュネーブ軍縮委員会(→軍縮会議)などを中心に続けられてきた。また国際連合では 1969年に 14ヵ国の専門家による会議を開いた結果,『化学・細菌兵器とその使用の影響に関するウ・タント国連事務総長の報告書』を刊行し(→ウ・タント),これらの兵器の危険性について警告するとともにその廃棄を呼びかけた。その後,生物兵器だけの禁止が焦点になり,1972年4月10日に生物兵器禁止条約が調印された。このとき化学兵器は除外され,生物兵器についてのみ広範な禁止が規定された。化学兵器については長年の交渉ののち,1993年1月化学兵器禁止条約が調印された。(→大量破壊兵器

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android