田井中村(読み)たいなかむら

日本歴史地名大系 「田井中村」の解説

田井中村
たいなかむら

[現在地名]八尾市田井中一―四丁目・田井中など

老原おいはら村の南、長瀬ながせ(旧大和川の本流)左岸に位置する。村中を新大和川の青地あおじ(現柏原市)から流れ出る了意りようい(平野川)が流れる。村の東部を大和川以南古市ふるいち(現羽曳野市)方面と八尾を結ぶ街道が通る。当地は「和名抄」にみえる志紀郡田井郷の地にあたるとされる。また五条田井中ごじようたいなか村の古称も伝わる。伝承によると、かつて田井中村は五条の宮ごじようのみや(老原の東部)にあったが、中世、大和川の洪水で南の現在地へ移ったという。「畠山家譜」によると元亀三年(一五七二)三月頃、志紀郡田井中村に三好方が城を構え、山中彦太郎・赤沢甚六らが拠城していた。跡地は不明。

村高は正保郷帳の写とみられる河内国一国村高控帳で八七三石余、延宝年間(一六七三―八一)の河内国支配帳では八七五石余、延宝検地後は八六一石余(元文二年河内国高帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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