田平町(読み)たびらちよう

日本歴史地名大系 「田平町」の解説

田平町
たびらちよう

面積:三四・六一平方キロ

松浦半島の北西部に位置する。西部は平戸瀬戸を挟んで平戸市、東は松浦市と接し、南部は江迎えむかえ町、江迎湾を挟んで鹿町しかまち町。町域の南東部に吹上ふきあげ(二一五・八メートル)、南部に蛇焼へびやき(一五四・二メートル)などがあるくらいで、全体になだらかな丘陵地が続き、河川釜田かまた川・坂瀬さかせ川などのように流路が短いか水量の多くないものとなっている。北部の釜田港・田平港、南西部の生向いけむく港などわりあい広い入江がみられる。平戸市とは平戸大橋で結ばれ、松浦鉄道と国道二〇四号が並行して通じる。

町域では旧石器時代の遺跡が二六ヵ所確認されるが、北部のたけ遺跡は日ノ岳型とよばれる台形石器の標式遺跡として知られる。縄文時代早期・前期中期などにわたるつぐめのはな遺跡は大型魚類や海棲動物などの捕獲・解体を推定させるものとなっている。里田原さとたばる遺跡では縄文晩期から水田稲作が行われていた。同遺跡の南に九州最西端の前方後円墳で五世紀中頃以前と推定される笠松天神社かさまつてんじんしや古墳がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報