甲府上水(読み)こうふじようすい

日本歴史地名大系 「甲府上水」の解説

甲府上水
こうふじようすい

甲府城下建設の際、甲府城内と武家屋敷地・城下町などの用水として敷設されたとされる上水道。甲府用水ともよばれる。開削の時期は明確ではないが、文禄年間(一五九二―九六)浅野氏領のとき、堀井戸では火元用心に差支えるとして用水堰を開いたと伝える(延享三年「町年寄口上書」坂田家文書)。当初はあら川に水源を求め山宮やまみや大口(山宮町)取水川を通して東方の城下まで引いた。だがしだいに水が城下まで届かなくなったため、甲府家領時代の寛文二年(一六六二)家老新見正信の命により細井治兵衛を普請奉行として下流上飯田かみいいだ村内の荒川あらかわ大口(現富士見二丁目)荒川から取水していた陣場じんば堰を修復して湯川に合流させ、さらにあい川へ落して穴切の相川あなぎりのあいかわ大口(現宝一丁目)から城下へ引水する普請が行われた(享保一七年「甲府上水仕様申上書」県立図書館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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