甲賀頓宮(読み)こうかのかりみや

日本歴史地名大系 「甲賀頓宮」の解説

甲賀頓宮
こうかのかりみや

甲賀郡に設けられた頓宮。「延喜式」斎宮寮に「凡頓宮者、近江国国府、甲賀、垂水、伊勢国鈴鹿、壱志、五所」とあり、それぞれの国司がこれを営造するものと定められ、斎王群行の際の宿泊施設として甲賀郡内に設置されていた。「西宮記」昌泰二年(八九九)九月条にみえる斎王群行に際しては、八日夜京都を出発した一行は九日に「勢多」、一〇日「甲賀」、一一日「垂水」、一二日「鈴鹿」、一三日には「壱志」と群行している。また「民経記」寛喜三年(一二三一)一〇月条には、斎王群行に際し勢多・甲賀両駅にそれぞれ米五〇石・人夫五〇人・馬三〇匹を国司が準備したことがみえ、頓宮と駅家の密接な関係がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報