番子(読み)バンコ

デジタル大辞泉 「番子」の意味・読み・例文・類語

ばん‐こ【番子】

舞楽で、舞人下役貴徳きとく散手さんじゅで登場し、舞人にほこを渡すなどする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「番子」の意味・読み・例文・類語

ばん‐こ【番子】

〘名〙
① 「散手」「貴徳」などの舞楽で、舞人の下役として鉾を手渡す者。
江家次第(1111頃)八「左右各舞〈略〉散手帰徳王者、舞装束番子如恒、但帰徳子着面形
荘園制の番の構成で、番頭に対して、他の名主をさしていう。→番頭(ばんとう)②。
宮中の宿日直制での番の構成員。
※俳諧・文政句帖‐七年(1824)一月店先に番子が作のつぎ木哉」
市中取締類集(1841‐63頃か)九「夜番人之儀は番子と相唱へ」

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世界大百科事典(旧版)内の番子の言及

【番】より


[その他の番制度]
 番制度は,院や有力貴族・寺社が,日常的に必要な酒などの供御物や夫役を調達するために早くから採用された。近江,摂津,和泉3国の荘郷から動員された摂関家大番舎人(大番舎人)は,京番頭のもとで毎月260余人の番子舎人が月10日ずつ交代で宿直警固や雑役に当たるもので,有力名主である大番舎人には給免田畠や免在家が認められた。彼らが年何回この役を勤めたかは不明であるが,興福寺の10日夜番や長講堂領の月充兵士,門兵士などの事例からみて,年3回程度の上番と推察されている。…

※「番子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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