下役(読み)シタヤク

精選版 日本国語大辞典 「下役」の意味・読み・例文・類語

した‐やく【下役】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 下級の役目。また、その役の人。部下。配下。また、下級の役人。下僚。⇔上役
    1. [初出の実例]「庖はにゑ調る処では下役の人ぞ」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)二)
    2. 「身どもが下やくにしてみたい」(出典:洒落本・後編婭意忋思(1802)武士鼠)
  3. 江戸時代、町の雑務をつとめ、なお夜番をも兼ねた者。また、その役目。
    1. [初出の実例]「太鼓打てまはる下役(シタヤク)に酒のか臭せば、おりおり来て、御用は何も御ざりませぬかと見廻りて、ごもくほかしてくれる」(出典浮世草子・当世宗匠気質(1781)二)

げ‐やく【下役】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 下級の役。また、下級の役人。
    1. [初出の実例]「テラノ ウチノ gueyacuuo(ゲヤクヲ) ミナ ゴイッシンシテ、アツカイタマイ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)二)
  3. 江戸時代、村役人指示に従って村内の見回り、夜番、死体始末などに当った下層農民の地方的呼称
    1. [初出の実例]「御咎之一条は、無高之下役彌兵衛と申者、死馬之始末を怠候事明白にて申訳無御座」(出典:虎岩村願書(長野県下伊那郡)‐宝暦五年(1755))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android