散手(読み)サンジュ

デジタル大辞泉 「散手」の意味・読み・例文・類語

さんじゅ【散手】

雅楽唐楽太食たいしき調で新楽中曲。一人舞の武舞ぶのまいで、番子ばんこ二人を従える。番舞つがいまい貴徳。散手破陣楽。主皇破陣楽。

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精選版 日本国語大辞典 「散手」の意味・読み・例文・類語

さんじゅ【散手】

  1. 散手〈舞楽図説〉
    散手〈舞楽図説〉
  2. 雅楽曲名左方。新楽。太食(たいしき)調の中曲。一人舞の武舞(ぶまい)龍頭の甲(かぶと)裲襠(りょうとう)に帯剣し、貴人相の面をつけ鉾(ほこ)を持って舞う。散手破陣楽。主皇破陣楽。至皇破陣楽。
    1. [初出の実例]「勅聴貞数親王帯剣。新王昨舞散手」(出典日本三代実録‐仁和二年(886)正月二一日)

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改訂新版 世界大百科事典 「散手」の意味・わかりやすい解説

散手 (さんじゅ)

雅楽,舞楽の曲名。唐楽にふくまれ太食調(たいしきちよう)。一人舞の武ノ舞。正式には《散手破陣楽》,別名《主皇(しゆこう)破陣楽》ともいう。番舞(つがいまい)は《貴徳》。裲襠(りようとう)装束に竜甲(たつかぶと)(《貴徳》も同種)をかぶり威厳のある面をつけ,太刀を腰に手に鉾をもって舞う。釈迦が生まれたときに作られたとか,神功皇后が朝鮮を攻めたとき,率川(いさかわ)明神が兵士たちを指揮した姿を舞にしたものとかいう。演奏次第は,太食調調子・品玄(ぼんげん)(あるいは新楽乱声・音取(ねとり),ここで登場,出手(ずるて))-序(無拍節)-破(延八拍子)-上調子(かんぢようし)(あるいは新楽乱声,入手(いるて))。序と破が当曲舞である。左方襲(常)装束を着た番子(ばんこ)という従者2人が舞台の下で舞の前に舞人に鉾を渡し,舞が終わるとそれを受けとる。
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