癲狂(読み)テンキョウ

デジタル大辞泉 「癲狂」の意味・読み・例文・類語

てん‐きょう〔‐キヤウ〕【×癲狂】

狂気。ものぐるい。

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精選版 日本国語大辞典 「癲狂」の意味・読み・例文・類語

てん‐きょう‥キャウ【癲狂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 気がくるうこと。ものぐるい。狂気。てんごう
    1. [初出の実例]「寄人刑部得麻呂 年五、癲狂、癈疾」(出典正倉院文書‐大宝二年(702)御野国本簀郡栗栖太里戸籍)
    2. 「世人これを信ずるものなく、且顛狂欺騙の人と称せられたり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐戯題寄上漢中王詩〕
  3. 癲癇(てんかん)と狂気。〔令義解(718)〕

てん‐ごう‥ガウ【癲狂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ごう」は「狂」の呉音 )
  2. てんかん(癲癇)日葡辞書(1603‐04)〕
  3. てんきょう(癲狂)〔書言字考節用集(1717)〕

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普及版 字通 「癲狂」の読み・字形・画数・意味

【癲狂】てんきよう(きやう)

もの狂い。放縦にして世を軽んずるふるまい。唐・元〔庁前の柏〕詩 我は本(もと)癲狂耽酒(たんしゆ)の人なり 何ぞ、君と對することを爲すを事とせん

字通「癲」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の癲狂の言及

【精神病】より

… 東洋の医学でも精神病の記述は古くからあり,とりわけ古代中国では,紀元前にすでに,今日の癲癇にあたる〈癲疾〉,精神病に属する各種の〈狂〉がかなり厳密に定義され,のちにはヒステリーに相当する〈婦人臓躁〉なども記載されて,西欧に劣らぬ高度の水準を保っていたと想像される。それが日本に伝えられたのは6~7世紀のころで,701年(大宝1)に成立した大宝令の戸令には〈癲狂〉の語が見え,養老令の注釈書《令義解》にも〈癲というは,発する時,地に仆れ,涎沫を吐き,覚ゆる所なきなり。狂というは,或いは妄触して走らんと欲し,或いは自ら高賢とし,聖神と称する者なり〉と記述されている。…

※「癲狂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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