白保村(読み)しいさぶむら

日本歴史地名大系 「白保村」の解説

白保村
しいさぶむら

[現在地名]石垣市白保しらほ

宮良めーら村の東にあり、シィサブという。東は太平洋に面し、海域アオサンゴなど世界有数といわれるサンゴ礁が広く発達する。南北に長い村域の中央部をとうどうるきい川が東流、その左岸、村域中央に盛山むりやー村がある。北部に遠見番所があったカラ岳(一三六メートル)があり、南端白保しいさぶ崎は古く崎とよばれ、海岸には乾隆三六年(一七七一)の明和大津波が成因という巨礫の散在する礁池(イノー)がある。

両島絵図帳の宮良めーら間切に「しらほ村」がみえ、高七一石余。崇禎元年(一六二八)の三間切制では大浜ほーま間切に属し(八重山島年来記)、順治八年(一六五一)の人口は宮良村と合せて二四八人(同書)。同村とは兄弟村と伝え、村創建にまつわる伝承が残る(→美崎御嶽。康熙五二年(一七一三)の「琉球国由来記」に村域の嘉手苅かちがら御嶽真和謝まーじやー(真謝)御嶽・多原たぱる御嶽は宮良村内とされている。理由は不明だが当時は宮良村役人の管下にあったようで、同年波照間はてるま(現竹富町)から三〇〇人を寄百姓して独立した。雍正一〇年(一七三二)桃里とーざとう村設置に際し近隣諸村とともに寄百姓している(八重山島年来記)。乾隆二年の調査報告によると人口一千七二人、村回り一七町余、風気も土地柄もよく田畑も広く住みやすいが、蔵元に近いため臨時の公事勤めが多く、百姓の負担は大きいという(参遣状)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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