波照間島(読み)ハテルマジマ

デジタル大辞泉 「波照間島」の意味・読み・例文・類語

はてるま‐じま【波照間島】

沖縄県八重山諸島の島。西表島いりおもてじまの南に位置し、有人島では日本最南端。竹富町に属する。サトウキビを栽培。

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精選版 日本国語大辞典 「波照間島」の意味・読み・例文・類語

はてるま‐じま【波照間島】

  1. 沖縄県、八重山諸島の島。西表島(いりおもてじま)の南に位置し、有人島では日本最南端。竹富町に属する。サトウキビを栽培。

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日本歴史地名大系 「波照間島」の解説

波照間島
はてるまじま

石垣島の南西約五一キロ、西表いりおもて島の南約二〇キロにある有人島としては日本最南端の島。南端は北緯二四度二分二五秒・東経一二三度四七分一六秒。一島で字波照間はてるまを構成。方音パチラー、石垣島方言ではパティローまたはパティローマ。島名の語源については果てのウルイシ(サンゴ石)島説、台湾アミ族語で沖の島を意味するボトルまたはボトロル由来説などがある。「中山伝信録」に「巴梯呂麻 訳曰波照間、在八重山極西北」とみえ、同書に依拠して琉球を西欧に紹介したフランス人宣教師アントワーヌ・ゴービルの「琉球諸島覚書」にはPa-tou-li-ma、「サマラン号来航記」にはHakarumaと記される。

島は東西に長軸をもつ楕円形をなし、南北約二・七キロ、東西約五・八キロ。面積一二・七七平方キロ。最高点は波照間はてるま灯台がある中央部東寄りの五九・五メートルで、典型的な低島で、ヌングン(野の国)島に属する。島の中央西寄りにきたみなみ名石ないしまえ、その西に富嘉ふかの各集落がある。ほぼ全域が第四紀の琉球石灰岩からなるが、富嘉集落の南に新第三紀の泥岩(島尻層)がわずかに露出する。四段の海岸段丘が発達し、集落が立地する最上位の段丘面と二段目の段丘面の間には比高七―八メートルのひときわ明瞭な段丘崖があり、環状道路はおおむねその下部を通っている。オオバギやガジュマルなどに代表される石灰岩植生が主体であるが、西海岸にはハマシタン群落、南海岸にはハスノハギリ‐アカギモドキ群落、ハテルマギリの小群落、北西端のはま崎にはテリハボク群落がある。島の植生は御嶽や段丘崖などの急斜面および海岸部を除き、一九八〇―九〇年代に実施された圃場整備事業によって畑地に転換され、失われた部分が少なくない。年平均気温は摂氏二四度で、那覇より一・六度高い。年降水量は一七五〇ミリで、那覇より三〇〇ミリほど少ない。

先島先史時代から古琉球の遺跡が一六ヵ所確認され、これらの遺跡は島の北西部に分布する。最古の遺跡は下田原しもたばる貝塚で先島先史時代前期の標準遺跡である。一九五五年(昭和三〇年)に同貝塚を発掘調査した金関丈夫はこの調査成果を踏まえて、八重山諸島には先史時代から一四世紀頃までインドネシア系種族が居住し、その後も人の入れ替りはなく、言語だけが日本語に変わったと論じた。そのため国語学者の宮良当壮や言語学者の服部四郎らと琉球列島の人と文化の起源をめぐって論争が行われた。その後の調査で、この遺跡は約三〇〇〇年前の南アジア系先史文化の遺跡であることが明らかにされている。

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改訂新版 世界大百科事典 「波照間島」の意味・わかりやすい解説

波照間島 (はてるまじま)

八重山列島の一島で西表(いりおもて)島の南にあり日本最南端(北緯24°03′)の島である。沖縄県八重山郡竹富町に属する。面積12.5km2,人口543(2010)。最高標高59.5mの琉球石灰岩からなる低平な島で,南部の海岸線には絶壁が多い。5集落が島の中央部にあり,石垣島から定期船が通じ,航路もある。北部には下田原(しもたばる)土器などを出土する下田原貝塚がある。八重山では古くから開けた島で,独特の民俗,言語が残る。18世紀には琉球王府の強制移住政策により,西表島や石垣島のマラリア病発生地域への強制移住が行われた。現在は含蜜糖(黒糖など糖蜜を含む砂糖)工場があり,サトウキビ作を中心とした農業が営まれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「波照間島」の意味・わかりやすい解説

波照間島
はてるまじま

沖縄県八重山列島(やえやまれっとう)最南端の島(有人島では日本最南端)。西表(いりおもて)島南方海上24キロメートルに位置する。竹富町(たけとみちょう)に属し、面積12.77平方キロメートル。最高点59.5メートルで、全島が琉球(りゅうきゅう)石灰岩に覆われた台地状の低島。島中央部に5集落が立地し、耕地のほとんどはサトウキビが占め、含蜜(がんみつ)製糖工場がある。南西の高那海岸に日本最南端の碑、星空観測タワーがある。石垣島から船便がある。西表石垣国立公園に含まれる。人口542(2009)。

[目崎茂和]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「波照間島」の意味・わかりやすい解説

波照間島
はてるまじま

沖縄県西部,八重山諸島南部の西表島南方約 25kmにあり,沖縄最南端,有人島としては日本最南端の島。竹富町に属する。琉球王朝時代政治犯の流刑地。王朝に抗したオヤケ・アカハチの生地。サトウキビ栽培が行なわれ,製糖工場がある。石垣島との間を定期船が結んでいる。全島が西表石垣国立公園に属し,海域は波照間島ヌービ崎沖海域公園地区,波照間島浜崎沖海域公園地区などの海域公園地区に指定されている。面積 12.73km2。人口 470(2020)。

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百科事典マイペディア 「波照間島」の意味・わかりやすい解説

波照間島【はてるまじま】

沖縄県八重山列島中の一島。西表(いりおもて)島南方にあり,八重山郡竹富町に属する。面積12.73km2。《おもろそうし》に〈はてるま〉とあるが,《朝鮮王朝実録》には悖突麻島などとみえる。サトウキビ栽培,養豚,漁業を営み,鰹節を特産。石垣市から航空便,船便がある。
→関連項目南西諸島

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