白地刑法(読み)シラジケイホウ

デジタル大辞泉 「白地刑法」の意味・読み・例文・類語

しらじ‐けいほう〔しらヂケイハフ〕【白地刑法】

一定刑罰だけを法律で規定し、罪となる行為の具体的内容は他の法令に譲っている刑罰法規。空白刑法白地刑罰法規。空白刑罰法規。

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精選版 日本国語大辞典 「白地刑法」の意味・読み・例文・類語

しらじ‐けいほうしらヂケイハフ【白地刑法】

  1. 〘 名詞 〙 一定の刑罰だけを規定し、犯罪事実の具体的内容を他の法律または命令に委任した刑罰法規。白地刑罰規定。空白刑法

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白地刑法」の意味・わかりやすい解説

白地刑法
しらじけいほう

刑罰法規において法定刑だけが明定されているが、犯罪とされる要件の全部または一部が、当該刑罰法規以外、たとえば他の法律・命令に委任されている場合をいう。白地刑罰法規ともよばれ、この白地部分を補充する規範を補充規範という。罪刑法定主義の原則からすれば、何を犯罪とし、これをいかに処罰するかが、あらかじめ法令で定められることを要するが、特別刑法領域でしばしばみられるように、事柄の性格が流動的であるために、犯罪の成立要件をすみずみまであらかじめ規定することが困難な場合があるが、このような場合に、例外的に白地刑法が認められる。刑法典にも、この例として、中立命令違反罪(94条)などがある。

[名和鐵郎]

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