塩化水銀(Ⅱ)水溶液にアンモニア水を加えて生ずる白色沈殿。アンモニアおよびアンモニウムイオン濃度によって生成物が異なる。
(1)融解性白降汞 化学式HgCl2(NH3)2。塩化アンモニウムを多量に含む塩化水銀溶液にアンモニアを加えると生ずる。また気相中で塩化水銀(Ⅱ)とアンモニアとを反応させても得られる。白色微細結晶。融点300℃,比重3.77。融点が存在するので融解性fusibleと名づけられる。希硫酸,希硝酸に溶ける。結晶中では各水銀原子には2分子のアンモニアが直線に,またそれと垂直な面にある4個の塩素原子が平面正方形に配位している。
(2)不融解性白降汞 化学式HgNH2Cl。塩化アンモニウムがほとんど存在しない溶液から得られる白色粉末。加熱すると融解する前に塩化水銀(Ⅰ),アンモニア,窒素に分解する。水に不溶だが酸に溶ける。水酸化カリウム溶液中で加熱すると,すべての窒素原子はアンモニアとなる。正方晶系で図に示すような構造をもち,N-Hg-N結合は直線である。また塩化物イオンはこのジグザグ鎖の間に存在する。
執筆者:水町 邦彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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