白鳥決定(読み)シラトリケッテイ

デジタル大辞泉 「白鳥決定」の意味・読み・例文・類語

しらとり‐けってい【白鳥決定】

白鳥事件再審請求に関する特別抗告を棄却した際に最高裁が示した判断通称。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判鉄則再審制度にも適用されるべきであり、確定判決事実認定に合理的な疑いが生じれば再審を開始できるとした。

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共同通信ニュース用語解説 「白鳥決定」の解説

白鳥決定

札幌市で1952年、白鳥一雄しらとり・かずお警部が射殺された事件の再審請求を巡り、最高裁が75年5月に出した決定。再審請求の段階でも、新証拠と他の全証拠を総合的に評価して「疑わしきは(合理的な疑いが生じれば)被告利益に」という刑事裁判の原則が適用されるという判断枠組みを示した。「開かずの扉」と評された再審開始のハードルが下がり、財田川免田、松山各事件で死刑が確定した3人の再審開始決定が79年6~12月に相次いだ。

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世界大百科事典(旧版)内の白鳥決定の言及

【再審】より

…証拠の明白性については,従来の実務は,新証拠はそれだけで原判決の事実認定をくつがえすだけのものでなければならないとする傾向があった。これに対し,最高裁は,1975年の白鳥決定(白鳥事件)において,〈当の証拠と他の全証拠とを総合的に評価して判断すべきであり,この判断に際しても,再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめれば足りるという意味において,“疑わしいときは被告人の利益”という刑事裁判における鉄則が適用されるものと解すべきである〉と判示した。これによって再審開始の要件がかなりゆるやかになったので,従来〈開かずの門〉といわれてきた再審の門が開かれはじめたといってよい。…

※「白鳥決定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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