皆式(読み)カイシキ

デジタル大辞泉 「皆式」の意味・読み・例文・類語

かい‐しき【皆式/皆色】

[副]近世語》(多くあとに打消しの語を伴って用いる)全く。まるっきり。かいもく。
「酒は―請けねども」〈浮・一代女・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「皆式」の意味・読み・例文・類語

かい‐しき【皆式】

  1. 〘 副詞 〙
  2. まるまる全部一面に。みな。すべて。否定的な意味の語を伴うことが多い。
    1. [初出の実例]「さめはだの身はかいしきのあせぼ哉〈忠満〉」(出典:俳諧・誹諧発句帳(1633)夏)
  3. 打消の語を伴って、強く否定するのに用いる。まったく。ちっとも。まるっきり。全然。悉皆(しっかい)
    1. [初出の実例]「自当方入衆甲斐敷手負さへ無之云々」(出典経覚私要鈔‐享徳二年(1453)三月一一日)
  4. ( 否定的な意味を含む述部を省略して ) まったく(だめなさま)、まるっきり(わからない)など。
    1. [初出の実例]「扨(さて)は月見花見芝居見、色作る事を仕事にして、世上の事はかいしき」(出典:浮世草子・風流曲三味線(1706)一)

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