皇嘉門院別当(読み)こうかもんいんのべっとう

改訂新版 世界大百科事典 「皇嘉門院別当」の意味・わかりやすい解説

皇嘉門院別当 (こうかもんいんのべっとう)

平安末期の女流歌人生没年不詳。源俊隆の娘。皇嘉門院藤原聖子(崇徳院皇后)の女房九条兼実異母弟に当たり,その縁からか,1175年(安元1)の〈右大臣兼実家歌合〉をはじめ兼実関係の歌合に参加。《千載集》以下の勅撰集に9首入集。《百人一首》に〈難波江の芦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき〉がとられている。
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朝日日本歴史人物事典 「皇嘉門院別当」の解説

皇嘉門院別当

生年:生没年不詳
平安時代後期の女房歌人。大宮権亮源俊隆の娘。崇徳天皇中宮聖子(皇嘉門院)に仕えた。皇嘉門院の異母弟である九条兼実の主催した,安元1(1175)年『右大臣家歌合』,治承2(1178)年『右大臣家百首』などの歌合,歌会に出詠。皇嘉門院が他界した折には生存していたが,すでに尼になっていた。「旅宿逢恋」という題で詠み,のちに百人一首に選ばれた歌,「難波江の蘆のかりねの一夜ゆゑ身をつくしてや恋ひわたるべき」が代表作。『千載和歌集』以下の勅撰集に9首が入集している。

(加藤睦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「皇嘉門院別当」の解説

皇嘉門院別当 こうかもんいんの-べっとう

?-? 平安時代後期の歌人。
崇徳(すとく)天皇の中宮(ちゅうぐう)である皇嘉門院に別当としてつかえた女官和歌にはげみ,異母弟の九条兼実(かねざね)が主催した安元元年(1175)の歌合わせなどに出席した。「千載和歌集」などの勅撰集に9首のせられている。
格言など】難波江(なにはえ)の葦(あし)のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき(「小倉百人一首」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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