益田郷(読み)ますだごう

日本歴史地名大系 「益田郷」の解説

益田郷
ますだごう

和名抄」所載の郷。諸本とも益田と記し、高山寺本・東急本などは「末須太」、名博本は「マスタ」の訓を付す。現益田市染羽そめば町・さいわい町・土井どい町・三宅みやけ町・ほん町・七尾ななお町・昭和しようわ町・ひがし町・津田つだ町・遠田とおだ町・大草おおくさ町・乙子おとこ町・大谷おおたに町・久々茂くくも町・岩倉いわくら町・猪木谷いのきだに町・多田ただ町・乙吉おとよし町・下本郷しもほんごう町・久城くしろ町・中須なかず町・中島なかのしま町・中吉田なかよしだ町・あけぼの西にし町・あけぼのほん町・あけぼの東町水分みずわけ町・もと町・赤城あかぎ町・さかえ町・有明ありあけ町・常盤ときわ町・駅前えきまえ町、現美都みと三谷みたに仙道せんどう小原こばら笹倉ささくら朝倉あさくらに比定され(大日本地名辞書)、「島根県史」もほぼ同様の比定をしている。


益田郷
ましたごう

「和名抄」所載の郷。訓注は高山寺本に「末之多」、東急本に「万之田」とある。仁安元年(一一六六)頃の飛騨国雑物進未注進状(宮内庁書陵部蔵)にみえる益田郡は行政区画としての郡ではなく、徴税単位として郷や名と並列するもので、当郷と同一である可能性がある。


益田郷
ますだごう

「和名抄」高山寺本は「末須多」(マスタ)、東急本は「末須太」と訓ずる。安堂あんどう遺跡(大阪府柏原市)の奈良時代土壙から出土した木簡に「益田郷戸主錦(部)□」とある。「延喜式」神名帳に記す「麻蘇多神社」は当郷に関係し、遺称地とみられる現びわ町の益田に同名社が鎮座する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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