日本大百科全書(ニッポニカ) 「益陽」の意味・わかりやすい解説
益陽
えきよう / イーヤン
中国、湖南(こなん)省北部の地級市。人口483万2000(2014)。3市轄区、安化(あんか)など3県を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。洞庭湖(どうていこ)南方の資水(しすい)下流部に位置する。秦(しん)代以来益陽県が置かれ、1950年同県の県城に対し市制を施行した。資水流域の食糧、材木、竹材、特産物などの集散地として発展し、現在では機械、陶磁器、化学、縫製品などの工業が発達し、竹器、傘、木器、鉄鍋、竹製敷物などの伝統工芸も盛んである。周辺の農村では米、サツマイモ、ラミー(チョマ)、コウマ(ジュート)、茶、蓮根(れんこん)、ピータンを産し、淡水養魚、竹器製造も盛んである。ラミーの生産量は国内1位(2010)である。
[河野通博・編集部 2016年12月12日]