洞庭湖(読み)ドウテイコ

百科事典マイペディアの解説

洞庭湖【どうていこ】

中国,湖南省北部にある中国第2の淡水湖。湖南省を流れる湘資水・【げん】江・【れい】水などの諸河川の水を集め,長江へ排水するため,その水量調節に役立つ。冬〜春減水し,夏季には増水する。面積2740km2。沿岸の両湖平原は農産物が豊富。解放後,治水工事が進んだ。
→関連項目荊江湖南[省]常徳長江【は】陽湖

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世界大百科事典 第2版の解説

どうていこ【洞庭湖 Dòng tíng hú】

中国,湖南省の北部,長江(揚子江)の南岸にある中国第2の淡水湖。南と西からは湘江,資水,沅江,澧水(れいすい)の4河川が注ぎ,北からは長江の増水期に松滋,太平,藕池(ぐうち),調弦の4口から大量の泥水が注ぎ,岳陽県城陵磯より再び長江へ注ぐ。湖面は季節による変化が大きいが,4口から毎年運び込まれる大量の泥砂により,東西に比較的幅の広い1条の砂州を形成し,もとの洞庭湖を東洞庭,南洞庭,西洞庭と大通湖など小さな湖沼群に分割した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

洞庭湖
どうていこ / トンティンフー

中国、湖南省北部にある湖で、鄱陽湖(はようこ)に次ぐ中国第二の大淡水湖。長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう))の南側にあり、面積2860平方キロメートル、湖面の標高34.1メートル、水深は30.8メートルに及ぶ。南方および西方から湘江(しょうこう)、沅江(げんこう)、澧水(れいすい)、資水の湖南省の四大河川が注ぐほか、北方の松滋(しょうじ)、太平、藕池(ぐうち)、調弦(ちょうげん)の四つの水路を通って、増水期には長江の水が流入する。また、北東端の岳陽(がくよう/ユエヤン)市城陵磯(じょうりょうき)で長江に排水している。

 このように大量の水を呑吐(どんと)するため、増水期と減水期とでは湖面の面積に大差がある。しかも年2400万立方メートルも流入する4河川の堆積(たいせき)物のほか、とくに北方の4水路を通じて長江の泥が年平均1億1800万立方メートル(全体の82%)も流入する結果、湖面はしだいに縮小し、ことに北部では大面積の逆デルタが発達、さらに湖面干拓も行われたため、かつて「八百里洞庭」とよばれて中国最大の淡水湖であったものが、いまでは鄱陽湖より小さくなっている。湖面も分割され、東、西、南の三つの洞庭湖や大通(だいつう)湖など大小多数の湖水に分かれている。しかし現在も中国の重要な淡水養殖基地の一つであり、蓮根(れんこん)の産出も多い。また、長沙(ちょうさ/チャンシャー)、常徳、益陽、岳陽など湖南省各地のほか、長江沿岸の武漢(ぶかん/ウーハン)などとの間にも航路が開け、水運が盛んである。

[河野通博]

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精選版 日本国語大辞典の解説

どうてい‐こ【洞庭湖】

中国、湖南省北東部にある淡水湖。湘江、資水、沅(げん)江、澧(れい)水が流れ込む。また、運河によって、揚子江の水を受け、洪水を調節する役割をもち、岳陽付近で江に通じる。湖中には君山や岳陽楼などがあり、景勝に富む。三湖。五渚(ごと)。九江。洞庭。

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世界大百科事典内の洞庭湖の言及

【湖南[省]】より

…中国中部,長江(揚子江)の中流域,洞庭湖の南方に位置する省。面積21万0500km2,人口6428万(1996)。…

【湖】より

…【村下 重夫】
[中国]
 中国で〈湖は都なり〉と説明されることがあるのは,都に人と物資が集まるように,四方の水流が集まり注ぎこむためである。現在の洞庭湖,鄱陽(はよう)湖,太湖などの江南の湖は,古代においても有名であった。雲夢沢(うんぼうたく)とよばれたのは,現在の洞庭湖を含んでより大きく湖南・湖北両省にひろがっていた大湖沼であろうと考えられる(雲夢)。…

※「洞庭湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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