盗まふ(読み)ヌスマウ

デジタル大辞泉 「盗まふ」の意味・読み・例文・類語

ぬすま◦う〔ぬすまふ〕【盗まふ】

[連語]《動詞「ぬす(盗)む」の未然形反復継続助動詞」。上代語
人目を盗んで、し続ける。
山川うへを伏せて守りもあへず年の八歳やとせを我が―◦ひし」〈・二八三二〉
人をだまし続ける。
「心さへまつれる君に何をかも言はずて言ひしと我が―◦はむ」〈・二五七三〉

ぬすま・う〔ぬすまふ〕【盗まふ】

[動ハ四]連語盗まう」から》すきをぬすむ。
「人にも見せず、―・はれて食ふほどに」〈古本説話集・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「盗まふ」の意味・読み・例文・類語

ぬすま‐・う‥ふ【盗】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 動詞「ぬすむ(盗)」の未然形に反復・継続を表わす助動詞「ふ」の付いたもの )
    1. 人目を盗み続けてする。ひそかになす。うしろぐらいことをする。
      1. [初出の実例]「山河に筌(うへ)を伏せてもりもあへず年の八歳を吾が竊儛(ぬすまひ)し」(出典万葉集(8C後)一一・二八三二)
    2. 人をあざむく。だます。ごまかす。偽る。
      1. [初出の実例]「心さへ奉れる君に何をかも言はずて言ひしと吾が将竊食(ぬすまはむ)」(出典:万葉集(8C後)一一・二五七三)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙 ( [ 一 ]の「ふ」が接尾語化したもの ) 間(ま)を盗む。すきをぬすむ。ひまを得て事をなす。
    1. [初出の実例]「夜ふけぬれば、からうじてぬすまはれて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

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