相良湊(読み)さがらみなと

日本歴史地名大系 「相良湊」の解説

相良湊
さがらみなと

[現在地名]相良町相良・大江

萩間はぎま川の河口に造られた湊。江戸まで海上八〇里、清水湊まで海上一二里。陸路は金谷かなや宿(現金谷町)まで四里余、掛川宿まで六里。湊は遠浅で、大船・荷船は入港できなかった(遠江国風土記伝)。慶長一二年(一六〇七)徳川家康駿府に隠居すると、以後度々相良へ鷹狩に訪れている。この頃しん町の名主治左衛門が三〇〇俵積の廻船を造り、家康の送迎や荷物輸送のため廻船問屋を始めたとされ、このとき相良湊が利用されている(東遠の港と御船神事)。その後摂津国から西尾太郎兵衛が来住し、廻船問屋を始めた(編年相良町史)。享保一三年(一七二八)相良藩主本多忠如が陣屋を築く際、相良湊の廻船で石を運搬している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の相良湊の言及

【相良[町]】より

…明和年間(1764‐72)には築城が許され,城下の町並みが整備された。また相良湊を拡張・整備して,大坂~江戸間の海上交通の中継港とし,さらに相良湊と東海道藤枝宿とを結ぶ相良街道(田沼街道)を整備するなど,産業の発展がはかられた。しかし,田沼氏が失脚して廃藩,城も破却されるが,その後藩は再興して幕末に至る。…

※「相良湊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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