相輪橖(読み)ソウリントウ

デジタル大辞泉 「相輪橖」の意味・読み・例文・類語

そうりん‐とう〔サウリンタウ|サウリンタフ〕【相輪×橖/相輪塔】

塔婆一種1本の柱の上部相輪を取り付けたもので、下に経巻などを納める。最澄が比叡山に建てたものが最も古く、日光輪王寺のものは有名。

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精選版 日本国語大辞典 「相輪橖」の意味・読み・例文・類語

そうりん‐とうサウリンタウ【相輪橖・相輪塔タフ】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「橖」は、ささえばしらの意 ) 塔または塔婆の一つで、金属製の仏塔。五重・三重の塔や多宝塔などの、屋根軸部を取りさった柱に相輪をつけた形のもの。最澄が比叡山延暦寺にたてたものが最も古く、下に法華経大日経などを納める。ほかに日光輪王寺などにある。
    1. 相輪橖〈匠明〉
      相輪橖〈匠明〉
    2. [初出の実例]「相輪塔高四丈五尺、伝教大師建立、銘文文師撰、山中記云、弘仁十二年九月伝教大師建相輪塔」(出典:叡岳要記(鎌倉中)下)

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世界大百科事典(旧版)内の相輪橖の言及

【相輪】より

…相輪の原形はインドのストゥーパが中央アジアを通って中国に伝わり,基壇,土饅頭形の墳丘,平頭,宝傘という構成が,露盤,伏鉢,請花,九輪に変形し,木造高楼上に安置された。相輪自体がストゥーパを意味し,相輪のみを地上に建てた相輪橖(塔)(輪王寺)もある。古くは複数の相輪をもつ塔(長谷寺千仏多宝塔銅板など)もあった。…

【塔】より

…石塔は日本では小さなものしかなく,形式としては多層塔,多宝塔,宝塔,宝篋印(ほうきよういん)塔,五輪塔,無縫塔,笠塔婆などがある。鉄塔や銅塔には相輪橖(そうりんとう),宝塔,五輪塔などがある。木造塔は舎利奉安のため,または大日如来の三昧耶形(さんまやぎよう)として建てられたが,のちには伽藍(がらん)を荘厳(しようごん)するものとして,あるいは故人の供養のために建てられるようになり,神社にも設けられるようになった。…

※「相輪橖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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