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着色中心 ちゃくしょくちゅうしんcolour centre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

着色中心
ちゃくしょくちゅうしん
colour centre

イオン結晶中の格子欠陥電子または正孔が捕えられて生じる局所的な電子状態。近紫外部または可視部の光を吸収するものが多い。本来は透明な結晶が色づく場合が多いので,一般に着色中心と呼ばれ,色中心ということもある。最も代表的な着色中心は陰イオンの空格子点に電子がとらえられたもので,色のドイツ語 FarbeにちなんでF中心と呼ばれる。たとえば岩塩結晶の場合,465nmに極大をもつ釣鐘形の吸収帯を生じる。このとき結晶は黄褐色となる。F中心はハロゲン化アルカリの結晶をアルカリ金属蒸気中で加熱するか,またはX線などの放射線で照射すると得られる。X線照射をするとF中心と同時にV中心も生じる。V中心は正孔に関係したもので,紫外部に吸収を生じる。代表的な例としては,Vk 中心やH中心などがある。これらの着色中心の構造決定には電子スピン共鳴の測定が有効である。

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デジタル大辞泉の解説

ちゃくしょく‐ちゅうしん【着色中心】

色中心

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ちゃくしょくちゅうしん【着色中心 colour center】

色中心ともいう。電子をもつ点状の格子欠陥,またはその集合体をいう。もともとは無色透明であった結晶がこのために色を帯びる場合をいった。典型的な例はハロゲン化アルカリのF中心で,ハロゲン化アルカリの単結晶をアルカリ金属の蒸気中で高温に保つとF中心が作られ,着色する。例えば塩化カリウムKClでは赤紫色となる。F中心は負イオンの空格子点に電子が捕獲されたもので,この電子の光遷移によって色が出現する。このほかにもF中心が2個隣接したM中心,陽イオン空格子点に正孔が捕獲されたV中心など多種の着色中心がある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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