負イオン(読み)フイオン

化学辞典 第2版 「負イオン」の解説

負イオン
フイオン
negative ion

イオンアニオンともいう.負の電荷をもつイオン.凝縮相では,通常,アニオンあるいは陰イオンとよばれるが,気相では負イオンということが多い.気相中で μs 以上(質量分析計で検出できる限界)の寿命をもつ負イオンは,次の四つの過程で生成する.
(1)非解離共鳴電子捕獲(熱電子捕獲),
(2)解離共鳴電子捕獲
(3)イオン対生成
(4)長寿命高励起原子からの電子移動.
負イオン生成の条件は,もとの原子分子または原子団が正の電子親和力をもつことである.負イオンは放射線化学放電化学で重要な役割をすると考えられ,また発がん性物質として知られている物質がいずれも熱電子捕獲するため,生物化学や医学の分野でも注目されている.負イオンの研究は,主として電子衝撃によるイオン化で質量分析計を用いて行われているが,電子スウォーム法,放電法,マイクロ波法,分光法などによっても研究されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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