短縮法(読み)たんしゅくほう(その他表記)foreshortening
scorcio[イタリア]
raccourci[フランス]

改訂新版 世界大百科事典 「短縮法」の意味・わかりやすい解説

短縮法 (たんしゅくほう)
foreshortening
scorcio[イタリア]
raccourci[フランス]

斜めに置かれた物体は,実長よりも短く見える。このような,実際より短く見える人体や物体を二次元平面に描くことを短縮法という。描かれた人体や物体は,その短縮の度合が強ければ強いほど,観者に強い現実感をもたらす効果がある。古典主義的絵画は,個体が,もっとも明晰かつ簡潔,典型的形態において見られることを望んだため,極端な短縮法を自制する傾向があった(マンテーニャの《死せるキリスト》は,15世紀におけるまれな作例である)。人体の劇的な表現力を重視したマニエリスムからバロックまでの絵画(とくに天井画)が最盛期で,ミケランジェロシスティナ礼拝堂天井画(1508-12)が短縮法の歴史を開始したと考えられる。
イリュージョニズム →遠近法
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「短縮法」の意味・わかりやすい解説

短縮法
たんしゅくほう
foreshortening

遠近法の一種建築風景などに適用されたそれでなく,主として人体に用いられた場合をさす。立ち,あるいは横たわっている人体を頭から,あるいは足元から見てその極端に短縮された形を描くもので,マンテーニャの『死せるキリスト』 (ミラノ,ブレラ絵画館) はその好例

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