足元(読み)アシモト

デジタル大辞泉 「足元」の意味・読み・例文・類語

あし‐もと【足元/足下/足許】

足が地についている所。また、その周り。「暗いから―に注意して下さい」「―に犬がうずくまる」
足の下部。「―に泥はねを上げる」「―が寒い」
ある人の、ごく身近な所。身辺。「まず―を固めて仕事にかかる」
足の運び方。歩きぶり。足どり。「―がふらつく」「―がおぼつかない」
苦しい立場。差し迫った状況。弱点弱み。「―につけ込む」
物事を行うためのよりどころ。立脚地。足掛かり。足場。「事業の―を固める」
家屋地面に近い部分。縁の下土台など。
近いこと。直近。最近。「―金利の安定」「―の企業業績は好調」「―の搭乗率は平均でも5割程度」
足元瓦あしもとがわら」の略。
[補説]「足をすく」との混同で、「足下を掬う」とするのは誤り。
[類語](3手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近目前鼻先手が届く指呼しこ咫尺しせき目睫もくしょうかん目と鼻の先傍ら近く近辺付近わきはたもと手元身近手近卑近身辺片方かたえ近傍近所最寄り座右左右手回り身の回りまのあたり目睫もくしょう面前目の前眼前現前目先鼻面はなづら鼻っつら前面正面真ん前手前先方直前

あ‐もと【足元/足下】

その人の家柄身分
「―アル者ヂャ」〈日葡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「足元」の意味・読み・例文・類語

あし‐もと【足元・足許・足下】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 立っている、または歩いている足のあたり。
    1. [初出の実例]「遠き所も出でたつあしもとよりはじまりて」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  3. 足の下部。
    1. [初出の実例]「いろいろの姿ども着こぼして、足もとしたためつつ」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)四)
  4. 歩き方。足つき。
    1. [初出の実例]「懸想人のいとものげなきあしもとを見つけられて侍らむ時」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
    2. 「袈裟(けさ)かづきて走りつらむ足もと思し出づるに」(出典狭衣物語(1069‐77頃か)一)
  5. その人のごく身近のあたり。また、その状況。身辺。
    1. [初出の実例]「事あり顔なる面もち、足もとなどの見やらるる、いとをかしきに」(出典:栄花物語(1028‐92頃)若水)
    2. 「足もとにかかる事を、今迄しらぬ事の残念」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)三)
  6. 座の位置。席順
    1. [初出の実例]「酒宴の座席にては、貧けならん人をは、上にもあれ、下にもあれ、ことはを懸て、坐の下にもあらんをは、『是へ是へ』と請すへし。足本をわくへからす」(出典:六波羅殿御家訓(13C中)八条)
  7. 家屋の脚部。家屋の根太から土台に至る部分をいう。
  8. はきもの。おもに、劇場等の用語として用いられる。
  9. 劇場で、俳優が楽屋、舞台裏を通る時、その足のあたりを照らすあかり
  10. 稲こきの時、足のあたりに落ちた穀物。がんぞ。とどろ。
  11. (ひれ)をいう。

あ‐もと【足元・足下】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あしもと(足元)。
  3. その人の家柄や身分。
    1. [初出の実例]「Amoto(アモト) アル モノヂャ」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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