石上・豊田古墳群(読み)いそのかみ・とよだこふんぐん

日本歴史地名大系 「石上・豊田古墳群」の解説

石上・豊田古墳群
いそのかみ・とよだこふんぐん

[現在地名]天理市石上町・豊田町

天理の市街地の東北、標高一〇〇メートル余の平尾ひらお丘陵上に、主として横穴式石室をもった一〇〇基以上の小円墳と三基の大きな後期前方後円墳があり、石上・豊田古墳群を形成している。前方後円という伝統的な墳形を維持踏襲しながら、その主体部に新しい横穴式石室を構築した前方後円墳は、県下でもせいぜい二〇基程度を数えるのみであるが、この丘陵上には三基、しかも全長一〇〇メートルを超す規模の大古墳が存在する。ウワナリ塚古墳と石上大塚おおつか古墳はそのなかの二基であり、小さな谷を一つ隔てた丘陵の隆起部にほぼ並列して築かれ、主軸南北にとり前方部を北に向けている。

ウワナリ塚古墳の墳丘は周囲の開墾に伴ってかなり変形されているが、全長一一〇メートル、後円部径約六八メートル、高さ一六メートル、前方部の幅八〇メートル、高さ一六メートル、西側のくびれ部には方形の造出しがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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