石村南郷(読み)いしむらみなみごう

日本歴史地名大系 「石村南郷」の解説

石村南郷
いしむらみなみごう

中世、太田おおた庄の一郷。現豊野町の南郷区一帯の地域にあたるものとみられる。隣郷の石村郷がまず開け、その南方に新たに開かれた郷とみることができる。

嘉禄三年(一二二七)一〇月の将軍家下文(島津家文書)によって父忠久から島津忠義への譲渡を確認された石村南郷地頭職は、文永四年(一二六七)一二月忠義から大炊助に譲られたが、太田庄相伝系図によれば、大炊助から忠義嫡系の孫(久経の子)忠宗に伝えられ、以後島津惣領家伝来の地となり、忠宗は文保二年(一三一八)三月これを嫡子貞久に譲って幕府安堵を得ており、貞久はまた元弘元年(一三三一)八月これを嫡子宗久に譲り幕府の安堵を得ている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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