精選版 日本国語大辞典 「基幹産業」の意味・読み・例文・類語
きかん‐さんぎょう ‥サンゲフ【基幹産業】
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一国の経済の基礎をなす産業のなかで、とくに国の生産の消長の鍵(かぎ)を握る重要産業Key Industryのこと。一般に、鉄鋼など産業用原材料・建設用資材を生産する産業、石炭・電力・石油などのエネルギー産業、自動車・造船・工作機械などの機械工業、さらには化学肥料・化学繊維など他の産業を発展させるうえに欠くことのできない重化学工業をさす用語として使用されるが、本来的には、第二次世界大戦後の経済再建・産業復興の「基幹」をなす産業として、政策的意図から重点的に資金や資源が配分され、保護育成された産業をさすものであった。たとえば日本では、戦後の復興にあたり、1947年(昭和22)から鉄鋼・石炭の傾斜生産方式が採用され、石炭・電力・鉄鋼・造船・化学肥料が五大基幹産業として指定され、その後、化繊・機械(工作・産業用など)などが経済の重化学工業化のための基幹産業として追加、重視され、政策的にも保護された。これに対し、55年以後の日本経済の高度成長期には、重化学工業化が達成されたことから、石油化学・石油精製・自動車・電気機器、60年代後半からは半導体・コンピュータが、新興の、世界に進出する戦略産業として重視された。70年代には鉄鋼・造船・自動車が、80年代には半導体・エレクトロニクス分野が世界の超一流に成長し、90年代には情報通信産業の発展が主導する「情報化」が各産業に普及し、産業構造を「重厚長大型」プラス「軽薄短小型」に大きく転換させ、今後は、相対的には後者を中心に、「知識集約型」の新規諸産業が日本経済をリードしていくこととなろう。
工業化を目ざす発展途上国では、輸入代替産業とか固有の保有資源の開発を中心に、先進国からの資金援助・経済協力・資本導入などを通じて、基幹産業の育成が政府の手厚い保護のもとに強行されているケースと、東南アジア諸国のように、多国籍企業の積極的招致による輸出主導型の経済開発によって目覚ましい成長を遂げているケースもある。
[殿村晋一]
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