砥山(読み)とやま

日本歴史地名大系 「砥山」の解説

砥山
とやま

砥沢とざわ村に所在する砥山は、開発年代は不詳であるが、砥沢村由来記(浅川文書)に「天正年間徳川氏関東入国以来御手山トナリ、上野御蔵砥ト称ヒ、鎌砥トシテ日本全国ニ頗ル権威ヲ呈ス」とあり、また砥山由来書(同文書)には「徳川家関東入国前ヨリ同国同郡富岡町住人ならや彦次郎ト申者定請負罷在候処、当村半兵衛ト申者、徳川家ヨリ御朱印ヲ給リ、其文中ニ山金川金掘可取文言有之候ニ付、元和九年半兵衛ヘ定受請被付」と記す。

西上州の砥石は天正五年(一五七七)四月二九日の北条家朱印状(平井文書)で長吏太郎左衛門に売買の特権を与えており、戦国末には広く売買されていたと思われる。当地については砥山由来書にあるように、文禄二年(一五九三)一二月一六日の徳川家康朱印状(市川文書)市川半右衛門に「分国中山金川金芝間共可掘之」の権利が与えられて以後、同氏によって採掘が盛んになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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