出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…江戸時代には運賃積運送をもっぱら行った菱垣(ひがき)・樽廻船において,この制度が確立し,最も厳格に行われた。その慣習法によると,廻船積合の荷主は,打荷の場合のみならず,破船の場合も海損を負担した。そして,打荷による海損の分担を振合力といい,破船による海損の分担を振分散と称した。…
…一方,海難によって生じた財産上の損害を塡補(てんぽ)するために海上保険の制度があるが,その源流はギリシア・ローマ時代にまでさかのぼり,各種の現代的保険の母体をなすとされている。【佐藤 幸夫】
[江戸時代の海難]
江戸時代の海難を当時の用語に従って挙げれば,破船(難破),難船(難航して船体・積荷に被害があること),膠船(座礁),水船(浸水),沈船(沈没),当逢(あたりあい)(衝突),打揚げ,行方不明等である。このほか広義には,敵艦船の攻撃・拿捕(だほ),沿岸民の占取・略奪,海賊・盗賊の襲撃・強奪,失火・自然発火による火災,不法行為による打荷(うちに)・窃盗等が含まれる。…
…その後,第4次《新思潮》に発表した《競漕》(1916)のほか,学生生活や《新思潮》同人との友情のもつれを描いた軽妙で清新な好短編によって文壇的地歩を築いたが,菊池寛の推挽による長編《蛍草》(1918)の成功をきっかけに通俗小説の領域に進出した。東大英文科卒業前後に漱石令嬢に失恋した体験を素材にした《破船》(1922)が代表作。〈微苦笑〉の造語や評論《私小説と心境小説》(1925)もよく知られている。…
※「破船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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