磯井如真(読み)いそいじょしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磯井如真」の意味・わかりやすい解説

磯井如真
いそいじょしん
(1883―1964)

漆芸(しつげい)家。本名雪枝。香川県高松に生まれる。1903年(明治36)香川県工芸学校用器漆工科を卒業。大阪の山中商会で漆工を担当して技術を磨き、のち母校や県立工芸技術研究所に勤務した。香川県の特産、蒟醤塗(きんまぬり)の伝統を受けながら、点彫りなどの新技法で立体的表現を図って新風を加えた。また彫漆(ちょうしつ)や木彫りなどの幅広い技法をもって創意に満ちた作品を制作している。33年(昭和8)文展初入選以来、毎年出品し、特選無鑑査となった。第二次世界大戦後日展に出品して、49年(昭和24)に日展審査員となる。53年に岡山大学教授、56年に重要無形文化財「きんま」保持者に認定された。

[郷家忠臣]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「磯井如真」の解説

磯井如真 いそい-じょしん

1883-1964 明治-昭和時代の漆芸家。
明治16年3月19日生まれ。36年大阪の山中商会にはいり,漆器の製作,修理にあたる。のち母校の香川県立工芸学校や工芸研究所でおしえる。昭和28年岡山大教授。玉楮(たまかじ)象谷の蒟醤塗(きんまぬり)の技法に立体的な表現をくわえるなど,香川漆芸の伝統を継承,発展させた。日展審査員。31年蒟醤で人間国宝。昭和39年8月23日死去。81歳。香川県出身。本名は雪枝。

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