祖母井村(読み)うばがいむら

日本歴史地名大系 「祖母井村」の解説

祖母井村
うばがいむら

[現在地名]芳賀町祖母井

現芳賀町中央の東部に位置し、北東稲毛田いなげた村、東は上根かみね(現市貝町)。西を五行ごぎよう川が南流し、ほぼ南北に関街道(烏山経由)が通り、また東西に宇都宮城下茂木もてぎを結ぶ道が通る。地名は勝道上人誕生の産湯に用いられたといううば池に由来すると伝える。享徳元年(一四五二)一〇月四日の法印宗俊廻状(小野寺文書)に「祖母井」とあり、宗俊は同月二八日に鎌倉鶴岡八幡宮で行われる関破却の衆会に、祖母井以下の村々の熊野先達山伏も参加するよう命じている。

当地の豪族祖母井氏は、下総の千葉介常胤の庶家大須賀氏の後裔で、大須賀氏は宝治合戦ののち宇都宮頼綱に臣従したという。当時の居館は不明だが、戦国期になると史料上にも祖母井城が登場する(年未詳黄梅六日「可雪斎書状案」佐八文書)。同城は天文年間(一五三二―五五)祖母井吉胤が築城したと伝え、遺構はほとんど残らないが、付近にはしろうち古屋敷ふるやしき的場まとばなどの地名がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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