禅定寺村(読み)ぜんじようじむら

日本歴史地名大系 「禅定寺村」の解説

禅定寺村
ぜんじようじむら

[現在地名]宇治田原町大字禅定寺

田原川の支流禅定寺川沿いに人家が点在する村で、田原郷と近江瀬田せた(現滋賀県大津市)を結ぶ田原道沿いでもある。平安時代中期に建立された禅定寺を中心に成立した集落であるが、禅定寺以前にすでに山岳寺院としての桑在くあり寺があったとされるから、その開発は古かったと思われる。

藤原道長やその一族帰依により長徳元年(九九五)に完成した禅定寺には、付近一帯の杣地や田畑が寺領として施入されたが、領民のなかに禅定寺寄人とも御香寄人とも称する者がいた。この寄人は禅定寺建立以前からいたともいわれるが(嘉元二年八月付禅定寺文書)、寺に対する諸役の勤仕と引換えに特権を与えられていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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