福乗寺(読み)ふくじようじ

日本歴史地名大系 「福乗寺」の解説

福乗寺
ふくじようじ

[現在地名]姫路市別所町佐土

天川山と号し、真宗大谷派、本尊は京都東本願寺一三世宣如下付と伝える阿弥陀如来。播州船場本徳寺開基略記(龍谷大学図書館蔵)や「増訂印南郡誌」によれば、英賀本徳あがほんとく寺の三道場の一。もと真言宗行人蔭山善太郎(村上天皇末裔)蓮如の教化を受け天川あまかわ道場に入り、文明一六年(一四八四)蓮如から本覚寺了順と裏書された阿弥陀如来絵像を下付された。善太郎は了順(中興の祖)を号し、天川道場を本覚ほんがく寺と改称した。その後実如から阿弥陀仏木像下付、顕如から親鸞絵像が下付された。慶長年中(一五九六―一六一五)姫路藩主池田輝政による京都西本願寺への強制転派事件に際し、本徳寺教円に供奉した三世明順は教円が准専と改名し西本願寺へ転派したのを機に、弾圧を避けるため本尊・親鸞絵像を供奉して但馬国出石いずし(現出石町)に本覚寺を建立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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